しかし。作者は当時、村八分でも聴いていたんだろうか。
曲のタイトルは『こじき一族』。
「来週のテレビ(勝ち抜き形式のオーディション番組)のデュエット曲なんにする。『こじき一族』っていうのがおもしろいぞ」と言って弾き語り始める。 
   美男美女ばかりの登場人物の中、主人公にくっついて回るモブ中のモブ、トンコちゃんが心情を明かすシーンが一番沁みた。
ラスト近く、ほどほどの相手とくっつきそうな場面が、ついでのような小さなコマで挿入されて。
最後までぞんざいな扱いのトンコなのであった。
トンコってあだ名からしてどうよ? 
   歌のところだけ抜粋したけど、基本的にはスポ根漫画。だと思う。
サププロットが盛りすぎ重過ぎなのよ。グラビティコラプスで崩壊寸前。
それでもまぁ二人が結ばれて大団円なのであった。
口から糸を引いてるのがアレだな。 
   初戦を勝ち抜いて翌週も出演する事になった二人が、次に歌う曲を選んでいるところ。
主人公が飛び入り出演することになってしまったのも、生放送でのアクシデントだったのだが。
こんな曲を歌われたら大事故だよ‼︎ 
   歌謡大会に出場する轟次郎と主人公。
主人公はライバルの意地悪で、急遽飛び入りする事になってしまったのだった。
舟木一夫と吉永小百合みたいになってるが。 
   そしてこれがゴーゴー喫茶に出かけた時の轟次郎のファッション。
ツッコミどころは色々あるかと思うが、なによりも。下駄履き。正気か⁉︎ 
   王子さまの轟二郎、じゃなかった豪次郎は歌とギターが得意で。
『朝日のあたる家』。ちあきなおみのバージョンだと『朝日楼』。
まぁ歌詞は違うっぽいけど。
あれは女郎屋の歌だもんな。 
   最後は築き上げた友情山脈をうっちゃって、単身ブラジルに渡るんですけど。
梶原一騎の不器用さとか一途さとか色々と垣間見えてくるようなのでした。
あと福原秀美は、後のポルノ作品より、レイプ(を想起させる)シーンが生々しかったです。