なんかね。他人に対して働きかけるような現代アートより、個人的な作品の方に惹かれるね。
奥さんが風呂に入ってるところとか日常を描いてたボナールとか、近所ばっかり描いてたワイエスとか。
芸術とかいう意識はまるで無く、人知れず長大な物語を紡いでいたヘンリー・ダーガーとか。
そこで大手の弱腰に反旗を翻し興ったのが、小規模出版/自費出版のアンダーグラウンド・コミックス運動(comix)。カウンターカルチャーの時代です。
こちらにも検閲の手は伸び、Zap Comixの第四号に掲載の漫画には内容に近親相姦が含まれるとされ、出版社は逮捕・起訴された。
そういえば選挙ポスターを見ていたら、公約に「健康診断廃止」を掲げてるのがあったんだけど、健康診断の何が問題なのだ?
儂が芸術とか創作の天辺に置いているのがつげ義春だったりして。ご本人は漫画は芸術じゃないと仰っておられるけど。本心なのか照れ臭いが故の韜晦なのか。
あの世捨て人のような生き方は稀代のアウトサイダーではあるよな。
日本の漫画のルーツには街頭紙芝居などの民俗芸能もあって、そこから辿れば明治の錦絵新聞やポンチ絵本、更には江戸の草双紙や赤本に接続するのは容易なんだけど、それを口にすると一笑に付されるのよな。
それもディズニー〜手塚治虫の呪縛か。
この本が出版されたのは1969
年(邦訳は1973年)、まだミロ・マナラもメビウスも登場しておらず、終章で登場するのはアルベール・ユデルゾあたりからグイド・クレパックスである。
当時のフランスで得られる知識に基づいて書かれており、残念ながら日本の漫画についての言及はない。