【76年前の11月21日】「アメリカ煙草ラッキー・ストライクを買って来てもらう。白地に赤丸のデザインなり。日本占領記念なりというがほんとうかな」 #不戦日記 #山田風太郎 #勝田文 #ラッキーストライク

【76年前の11月28日】「日比谷公園に入って見る。草枯れ、樹々荒れて荒涼蕭殺たる公園のかなたに赤い落日が沈んでゆく。噂の通り、なるほど進駐軍がいたるところ日本娘の頸や腰に手を巻いて座っていたり歩いていたりする中には向い合ってブランコにのっている組もある」 #不戦日記 #山田風太郎 #勝田文

【76年前の12月10日】「電車混み、入口ふさぎ、降りる人降りる能わず、『電車は逃げちまやしねえんだから、あけてくれったら！ これだからいくさに負けるんだ！』と怒鳴った者あり、みな悲しげな笑い声、民衆はヤケになっている」 #不戦日記 #山田風太郎 #勝田文

【75年前の9月19日】「『死ぬは易い。しかし敵に堂々と日本の所信を明らかにしなければならぬ』と彼（東条英機）はいっているそうである。それならばそれでよい。（中略）それならしかしなぜ自殺しようとしたのか。死に損なったのち、なぜ敵将に自分の刀など贈ったのか」#不戦日記 #勝田文

生誕100年。23歳医学生の山田風太郎、昭和20年の日記（2／9）

あさっては8月15日、終戦記念日ですね。75年前の8月は──6日に広島、9日に長崎に原爆が落とされ、同じく9日にソ連参戦。日毎に追い込まれていく日本。当時長野県の飯田市に疎開していた山田風太郎の生活は？ 発売中のモーニング36・37合併号の「#風太郎不戦日記 」をぜひご覧ください。#勝田文

76年前の昭和20年元日から、23歳医学生が書き綴った日記（3／8）

新年あけましておめでとうございます。今年は山田風太郎先生没後20年。その節目に『風太郎不戦日記』をお届けする意義深さを噛み締めています。引き続きよろしくお願いします。#不戦日記 #山田風太郎 #勝田文 #モーニング

【76年前の9月28日】「（同級生）小西哲夫より来書『（中略）それにしても大東亜戦争の苛烈なる矢面に立ち、我々の級はバタバタと斃れていったのに、運悪くここまで生きのびています。大詔のあった直後呉で級会をやり、みななんと運が悪いんじゃろうと顔を見合わせた次第です』」#不戦日記 #山田風太郎

【76年前の10月16日】「（天竜峡の）姑射橋の手前から山に入って右岸伝いに下ってゆく。赤松の林には微かな脂の匂いが満ちている。七月末来た時には電動機の唸りを響かせていた山中の工具工場は門を閉ざして、森閑として、その扉の上にはTenryukyo Small Tools Dispersionと書いた木札がかかっていた」

【75年前の8月9日】「◉夕のラジオはソビエトがついに日本に対し交戦状態に入ったことを通告し、その空軍陸軍が満州進入を開始したと伝えた◉しかし鈍い。一般には十二月八日のような昂奮は認められない。予期せぬことではなかったこと。激情的な事実にも馴れっこになっていること」#風太郎不戦日記

76年前の昭和20年元日から、23歳医学生が書き綴った日記（8／8）