(3/4)
「『お前さんが岡野の地面に居ながら、あれ程のことをただ見ているとは、どういう訳だ』
と聞くから、
『それはこういう訳だ。これまで食って行けない家計を、おれが骨折って食えるようにしてやったのに、丈助を雇うなと言ったら、おれを追い出そうとしたから、ケンカをしたんだ』」
(2/4)
「丈助がご老中に直訴したものだから、事態がややこしくなってきた。
丈助の身柄は岡野に引き渡しになった。頭(かしら)の遠山安芸守から通達があるから、岡野は丈助を引き取って、長屋へ押し込めて宅番を付けた。」
#はやおき訳
勝小吉37歳。立替金返済を岡野家に求めて、ご老中に直訴をした大川丈助。そこから騒動が重なり、岡野家は前代未聞の危機に陥ります。
マンガ『夢酔独言』百十話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
車椅子ver.2。
背もたれが頭まであった方が安心感がある(し居眠りできるか)と思って背もたれ長いヴァージョンにしましたが、夏場は暑いかもしらん。あと、主人公のトレードマークであるロングヘアが後ろからの図だと隠れるのがどーか…。
(4/4)
「岡野の縁者が丈助と話し合ったが、孫一郎側の証拠が失われたから、丈助が要求する金額が、水増しだと言うこともできない。
そうこうするうちに、丈助が、ご老中の太田備後守殿に駕籠訴をした。」
(3/4)
「丈助は立替金を勘定した帳面を二冊こしらえて、一冊は自分の控えにして、一冊は孫一郎に渡した。
岡野の者は立替金を払うことができないから、今度は難癖つけて丈助を追い出そうとした。すると丈助は利口だから、ある晩、孫一郎が酔っている隙を見て、孫一郎の帳面を焼いてしまった。」
(2/4)
「それからいろいろ立替金がかさんで、岡野家一同が困ると、またまた仙之助が悪巧みをして、丈助を出し抜こうとした。そこで丈助が一年分の支払いを計算すると、立替金は三百三十九両にもなったということだった。」
#はやおき訳
勝小吉36歳頃。賄い用人になった大川丈助は、立替金の返済を岡野家に求めます。返済できない岡野家が対応に困っていると、丈助はご老中に直訴します。
マンガ『夢酔独言』百九話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
(3/4)
「知行所の者は丈助を雇うことを承知せず、おれに頼んで止めてくれろと言う。舅の権之助も頼むから、孫一郎にいろいろ異見を言った。
すると挙句の果てにおれを地面から追い出そうとから、ケンカをして、謝らして済ませてやった。」
(2/4)
「おれが奥方を世話してもらった時は、知行所に相談して、岡野の暮らしは百姓のまかないにして、何も困ることがないようにした。〈中略〉たちまち元の通りになってきたから、孫一郎の伯父の仙之助の薦めで、大川丈助というまかない用人を雇うことになった。」
#はやおき訳
勝小吉36歳頃。本所入江町の地主が、大川丈助というまかない用人を雇おうとします。反対する地主の縁者達に頼まれた小吉は、丈助を雇わないよう、地主に異見をいいますが…。
マンガ『夢酔独言』百八話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ