(2/4)
「おれが思い付いたのは、島田虎之助が二、三年前に江戸へ来たといっても、九州者でまだ江戸慣れはしまいから、一つ驚かしてやろうということだった。
そこで緋縮緬の襦袢に洒落た衣類を着て、短羽織に拍子木の木刀を一本差して、浅草新堀の道場へ会いに行った。」
#はやおき訳
勝小吉37歳春。小吉は息子麟太郎(後の勝海舟)の相弟子である島田虎之助を訪ね、江戸の盛り場へ遊びに誘います。
マンガ『夢酔独言』百六話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
(4/4)
「この人(島田虎之助)は世間なみの撃剣家とは違ふところがあつて、始終、『今時みながやり居る剣術は、かたばかりだ。せつかくの事に、足下は真正の剣術をやりなさい』といつて居た。」
#勝海舟
(3/4)
「その後間もなく、六百両金ができたから、山口の家は持ち堪えたが、今は三十俵三人扶持ぽっちだから、困っている。江戸の掛屋にも千五百両ばかり借りがあるから、三人扶持は掛屋行きだ。
そんな具合だから、今でも山口の子が月々、おれを訪ねてくれる。」
(2/4)
「山口鉄五郎は案の定、四年目に甲州騒動で失脚し、江戸へ戻って小十人組に入れられた。三千両ほど借金ができて、家の中も揉め、大心配をして、おまけに、葉山孫三郎は揚屋へ三年、入れられた。
気の毒だから、おれも一度訪ねてやった。」
#はやおき訳
勝小吉37歳頃。割下水に住んでいた頃、代官になりたい地主に意見を言って揉め、引っ越さざるを得なくなった小吉。結局地主は代官になるものの失脚。その後、小吉は地主を訪ねますが…。
マンガ『夢酔独言』百五話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
(3/4)
「諏訪部が博奕をしている間、おれは常磐町の女郎屋へ行って、女郎を呼んで遊んだ。
夜の七つ頃、迎えを寄越したから、茶屋へ行ってみたら、諏訪部が六百両ほど勝っていた。おれが見切りをつけて連れて帰った。」
(2/4)
「『明後日、常磐町で狐博奕があるから、俺と一緒に行ってくれませぬか。勝つと大金が入るから、一人では帰りが心配だから』
と、諏訪部が言った。
『おれは博奕には今まで手を出したことがないから嫌だ』
と言ったら、
『ただ行って、食物を食って寝て待っていればいいんだ』
と言う。」
勝小吉37歳頃。帰り道の用心棒として、博奕に誘われた小吉。博奕が嫌いな小吉は、乗り気ではなかったが…。
マンガ『夢酔独言』百四話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
こちらは構成の都合で省いたくだり。
ふとした時に、いつも自分と一緒に歩いてた友達が、自分と違う足腰を持ってると実感するシーン。