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「おれが吊るされている下で皆が集まって、おれの饅頭まで食いおるから、上からおれが思いきり小便をしてやった。食べかけた物に小便が撥ねたものだから、残らず捨ててしまっていたが、その時は、いい気味だと思ったよ。」
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「寒稽古の夜潰しをする日、師匠から許しが出て、出席者は各々食い物を持って来てよいことになり、おれも重箱に饅頭を入れて行った。夜の九つ頃、稽古を一休みして、皆が持参した物を食い始めた。おれも旨い物を食ってやろうと思っていたら、皆で集まって、おれを帯で天井に縛り上げた。」
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「三八・五十日が稽古というから、初めて稽古場に顔を出した。初めは遠慮をしていたが、だんだんとイタズラをしだして相弟子に憎まれ、しょっちゅう酷い目にあった。
ある日稽古へ行こうとすると、榛の木馬場という所で、前町の子供やその親が大勢集まって、おれが通るのを待っている。」
勝小吉9歳頃。柔術の稽古を始める小吉。イタズラをして他の弟子達に嫌われ、酷い目にあいます。
マンガ『夢酔独言』七話(1/4)
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「その騒ぎを親父が長屋門から見て怒って、おれは三十日ばかり目通りを止められ、押し込めにされた。弟は蔵の中に五、六日押し込められた。」
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「前町の仕立て屋のガキで弁次というやつが引き返して来て、弟の胸を竹槍で突きおった。その時おれが駆けつけて弁次の眉間を切ったら、弁次のやつが尻もちをついてドブの中へ落ちたから、続けざまに面を切ってやった。」
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「ある時、亀沢町の犬がおれの犬と噛み合って、子供同士の大ゲンカになった。その時は、おれの方は隣に住む十四歳の安西養次郎というのが頭で、近所の黒部金太郎・兼吉、篠木大次郎、青木七五三之助と高浜彦三郎に、おれの弟の鉄朔の八人で、おれの門の前で町のやつらと叩き合った。」
勝小吉9歳。本所の屋敷へ引越し、勝家のお婆様と暮らし始めます。ある時、犬同士のケンカが元で、町内を巻き込んだ大ゲンカに発展します。
マンガ『夢酔独言』六話(1/4)
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「養家の婆あ殿は、おれを毎日いじめなさったが、いまいましいから、おれも思いつく限りの悪態をついてやった。
それを親父が聞きつけて怒って、
『年端もゆかぬくせに、婆様に向かって己のような無礼を言うやつはいない。将来どうなることか』
と、脇差を抜いておれに打ちつけた。」
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「おれが八歳ばかりの時に、親父が家中の者を呼んで、
『その原に人の形をこしらえて、百物語をしよう』
と言った。そこで夜、皆で集まって、その隣の屋敷へ一人ずつ行って、その化物人形の袖に名札を結び付けて来るということをした。皆が怖がっていて、おかしかったよ。」
#はやおき訳
勝小吉8歳。深川から本所へ引っ越すことになり、家を建てる間、駿河台に仮住まいします。ある時、小吉の父の発案で、皆で肝試しをしますが…。
マンガ『夢酔独言』五話(1/4)
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