勝小吉13歳。小吉の素行を見守っていた兄・彦四郎が代官務めで信州へ行き、自由の身に。今度は養家の姑に小言を言われてストレスを溜めて、やかましく言われないように家庭内自炊を始めますが…。
マンガ『夢酔独言』十一話(1/4)
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「おれが馬にばかり乗って銭金を使うから、馬の稽古をやめろといって、先生に断りの手紙を出した。そのうえでおれをひどく叱って、禁足しろと言いおった。それから当分家で居たが、困ったよ。」
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「『大学』も五、六枚は覚えたよ。先生達からは世話を断られてしまったが、嬉しかった。
馬にばかり乗っていたから、しまいには銭がなくなって困った。お袋の小遣いや貯えの金を盗んで使った。」
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「十二の年、兄貴の世話で学問を始めた。林大学頭の所へ連れて行かれて、それから聖堂の寄宿部屋の保木巳之吉と佐野郡左衛門という先生に就いて、『大学』を教えてもらった。
おれは学問は嫌いだから、毎日桜の馬場へ行って、馬に乗ってばかりいた。」
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勝小吉12歳。兄・男谷彦四郎さんの紹介で、聖堂で学問を始めます。ところが勉強がきらいな小吉は、毎日サボって馬乗りに出掛け、ついには先生から世話を断られてしまいます。
その後も馬乗りばかりする小吉ですが…。
マンガ『夢酔独言』十話(1/4)
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「師匠にひどく叱られた。
息子は今は石川太郎左衛門といって、御徒頭を務めているが、ずる賢いばかりで覇気のない、役に立たない馬鹿野郎だ。」
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「おれも頭の息子が相手だから我慢をしていたが、いろいろ小馬鹿にしおるから、ある時木刀で、思い切り叩き散らし、悪態をついて、泣かしてやった。」
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「その稽古場に、おれの頭(かしら)の石川右近将監の息子も来ていた。そやつはおれの禄高や何かをよく知っているから、大勢の前で、
『手前の高はいくらだ、四十俵ではさぞ困っているだろう』
と言って笑いおるのが常だった。」
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勝小吉11歳。駿河台の一刀流の師匠の道場へ、剣術を習いに行きます。そこに来ていた嫌味な先輩と小吉のエピソードです。
マンガ『夢酔独言』九話(1/4)
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「一度、隅田川へも乗りに行って、土手を駆け抜けたこともある。その時は伝蔵という借馬引きの馬を借りていたが、どこのはずみか、力革が切れて、鐙(あぶみ)を片方川へ落としてしまった。そのまま片鐙で帰ったよ。」
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「一度、馬喰町の火事の時、馬で火事場へ乗り込んだことがある。今井帯刀という御使番にとがめられて、一目散に逃げた。本所の津軽屋敷の前まで追いかけられたが、馬の脚が達者だったから、とうとう逃げおおせた。」
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「稽古を始めてふた月目に、遠乗りに行ったら、道で先生に出くわした。困って横丁へ逃げ込んだが、次に稽古へ行くと小言を言われた。
『まだ鞍にも座ったことがないだろう。今後は決して遠乗りはするな』
と言いおったから、今度は大久保勘次郎という先生に弟子入りした。」
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