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「『お前さんは仕掛けが立派だから、さぞによい仕事ができるだろうさ』
と言ってやったら、そこでようやく騙したことを白状して、
『何ぞ使ってくだされ』
と言った。
それからつけ込んで、今井が騙されたことを話して、金を取り返して別れた。」
勝小吉36歳頃。かつて息子・麟太郎(後の勝海舟)がお仕えした将軍の孫・初之丞様が、一橋家を継ぐことになります。小吉は麟太郎の仕官のため、隠居を勧められますが…。
マンガ『夢酔独言』九十六話(1/4)
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「それゆゑに人は、平生の修行され積んでおけば、事に臨んで決して不覚を取るものでない。剣術の奥意に達した人は、決して人に斬られることがないといふことは、実にその通りだ。おれも昔親父からこの事を聞いて、ひそかに疑つていたが、…」
#勝海舟
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「八之丞サマといつて、一ツ橋のあとに直る人だつたが、大層、ワシがお気に入りで、十二までお附きだつた。その頃、隠居をするのは、一年かゝるが、親仁も、私を八之丞サマにつけて、出世させるつもりで願つたが、…」
#勝海舟
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柳亭種彦(高屋彦四郎)さんと麟太郎のやりとりはフィクションです。面白アイテム&話題提供おじさん。
「暇なら何か書きなさい」は、『氷川清話』より、実際の種彦さんのセリフです。
友達と浅草市へ行った小吉。混み合う雷門で侍に擂粉木で殴られ、刀を抜きます。
マンガ『夢酔独言』(1/4)
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「雷門の内側は混みあっていて、刀が股ぐらに入って歩かれなかった。
押し合いながら進むと、ある侍が、山椒の擂粉木で多羅尾の頭を殴った。おれが押されながら、そいつの羽織を押さえると、今度はおれの肩を殴りおった。
刀を抜こうとしたが、小尻がつかえて抜くことができない。」
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「『片っ端から切り倒す』
と、大声をあげたら、通りの者がバッと散ったから、抜き打ちで男が逃げるところへ刀を浴びせた。
切っ先で背筋を下まで切り下げたが、間合いが遠くって、帯が切れただけだった。男は大小の刀も懐中物も、残らず落として逃げていった。」
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「それからすぐ奥山へ行った。切っ先が一寸余は掛かったかと思った。大勢の混み合い場では、長刀も善し悪しだと思った。多羅尾は禿頭だから、傷が付いた。
それからケンカをしながら、両国橋まで来た。その晩は他に仕事もなかったから、家へ帰った。」
当初ダイジェストで終わらす気だったので端折った、二人が馴れ初めのシーンです。
背景が、描いた人の記憶の中にある大学構内なので、配置とかムチャクチャです。
勝小吉36歳の夏。実家の男谷家へ呼び出されて行ってみると、小吉を入れる檻が出来ていて…。
マンガ『夢酔独言』九十八話(1/4)
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