再読『ダンジョン飯』6巻、出会いと別れと深層へ。炎龍に食われたファリンを追う迷宮潜りがジワジワと島全体を巻き込む騒動にすり替わり、それはそれとしてライオスやマルシルの人となりが詳らかになり、お話としても深みの増す巻だった。イヅツミが合流した理由付けに改めて膝を打つなどした。
天真爛漫なネコ娘が主人公パーティに加入する意味付けが、主人公の妹が化け物と“混ぜ”られて魔物寸前と化したのを受けて、「でも君は人間のように喋るし殺人衝動もない」「妹が人格を取り戻す縁になるかもしれない」「だから君に会えて、今すごく嬉しい」になるの、あまりにも話の組み方が精緻。
ダンジョン飯、良くあるネタを掛け合わせたものかと思いきや蓋を開ければD&D世界をベースに仕立て上げた濃厚なハイファンタジーの中でいかに迷宮に潜り続けるか?どうして冒険者たちは深層を目指すのか?をガッチリ堅いロジックで描き出してるから読んでて安心感が凄まじい。本当に良い漫画だ。
ライオスが一貫して人の心が無さすぎて「善良の定義を教えてくれ!」とか言い出すの良すぎるし、返す刀で「本読めバカ」っていなされるの好きだ。
最初の頃は智略謀略に長けたもう1人の主人公として現れたのに、巻数を増やすにつれてライオスの底知れない〝欲〟とエルフ介護とに振り回されてギャグ顔晒すようになっちゃったカブルーくん、かわいいね……🤤
シメジシミュレーション、女子高生の頭の中の空想が現実と入り混じってるゆるふわシュール哲学コメディ系かと思って読み進めたら突然リアリティが文字通り崩壊していく急展開を読者に叩きつけてくるの、唯一無二の衝撃があって好き。つくみず先生永遠に良い存在。
『本田鹿の子の本棚』は
・攻めの般若心経で平家討滅
「続・耳なし芳一&続・平家物語」
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