一つの見方をすれば、自然は美しくかつ残虐であるように、少年もまた美しく残酷な生き物と言えます。
『ライチ☆光クラブ』では風景としての自然は描かれてはいませんが、少年と自然はその存在性において重なり合い、美しさも残虐さも全てを網羅する、↓
特に1920年(大正9年)は創業20年という節目の年ということもあってか(津村順天堂の創業は1893年ですが、社史では1920年が創業20年とされています)、新聞広告には「中将姫」のイメージが頻繁に登場してます。会社の原点はやはり「中将姫=中将湯」というアピールなのでしょう。 ↓
同じ年の大正9年4月の「中将湯」広告では、ちょっと変わったイベントが展開されました。 題して「中将湯商標模擬図案懸賞募集」です。
華宵が描いた「中将湯」の商標(中将姫のイメージ)を模した、「様々の変化のある面白い図案」(広告文より)を募集しています。↓
賞金も全部で300円、うち一等100円(現在の30万円ほど)で、大々的に呼びかけたようです。
懸賞には約2000点もの応募があったようですが、結果は思わしくなく、一等は該当なしという残念な結果となっています。その結果について、7月1日の広告で次のように評しています。 ↓
高畠華宵は「中将湯」広告の中で、
家事をする女性、子どもと遊ぶ女性、授乳をする女性、
子どもと夫との家庭円満の図、端午の節句や桃の節句など子どもを連想させるイメージを数多く描いています。
広告絵によって商品そのもののが持つイメージが市民社会に流布していく例とも言えるでしょう。