本日9月14日(土)は開館日です。
今週末と来週末は3連休が続きますね。
大正ロマン館も祝日は開館します。
「大正女の一日展 ーこれが彼女の生きる道!?ー」は好評開催中です。… https://t.co/nop0uwuqTR
一つの見方をすれば、自然は美しくかつ残虐であるように、少年もまた美しく残酷な生き物と言えます。
『ライチ☆光クラブ』では風景としての自然は描かれてはいませんが、少年と自然はその存在性において重なり合い、美しさも残虐さも全てを網羅する、↓
機械的なもの・科学的なもの(飛行機や船など)への関心は戦前の挿絵の中にも見られます。
戦後の小松崎茂などに代表されるような「空想科学」への傾倒は、少年の「非自然的なもの」への関心がある意味で普遍的なものであることを証明しています。↓
ライチを燃料とするロボットを作ります。
破壊的なリーダー・ゼラを中心に狂信的な集団となっていく少年たちの周りに自然はありません。自然から隔絶された少年たちの行く末は悲劇へとつながって行きます。
もちろん少年は自然を求めるだけではなく、↓
「#三鬼と三郎と華宵」では、ちょっと変わった作品鑑賞方法を体験して頂いています。
(いつもは入れない)ガラスケースの中に入って、
間近で《三鬼と三郎と華宵》シリーズ全36点を
ご覧ください。
「ドキドキした」「緊張した」「集中できた」
など概ね好評ですよ😃
探検気分の作品鑑賞、ぜひ❗️
古屋兎丸版「スタンド・バイ・ミー」とも言える『少年たちのいるところ』では、夏休みの思い出作りに少年たちは工場の夜景を見に自転車を漕いで行きます。
少年と自然の関係は常に一定ではなく、時代によって変化していくものですが、華宵の「自然の中の少年」から古屋の「自然不在の中の少年」への↓
「『インノサン』の花は、暴力に侵食される少年たちの仲良しの世界、人と人との無垢なつながり、無垢を求めた少年たちの死への鎮魂などを重層的に表象する。古屋兎丸は花によって漫画という視覚表現の可能性を押し広げている」(「少年の世界への別れと鎮魂『インノサン少年十字軍』、ユリイカ)↓
本日の展覧会関連イベント・トークセッション、
予定通り開催いたします。
先ほど、南海放送ラジオにて「三鬼と三郎と華宵」の展覧会と、今日のイベントについてご紹介を頂きました。
当館館長が展覧会についてお話しさせて頂きました。
太田三郎さんの電話インタビューも流れましたよ。
(続↓)
「#三鬼と三郎と華宵」
イメージと俳句のコラボ、こんな感じです。
菊咲かせど孤児も云ふコンニチハ(三鬼)
太田三郎撮影の写真とドッキング↓
肺おもたしばうばうとしてただに海(三鬼)
太田が選んだ華宵作品とドッキング↓
何とも言えない味わいがありますね。
絶望の中にある少年の束の間の癒しは自然の中でしか得られないのです。
一方で、『ライチ☆光クラブ』でクライマックスの儀式中、ゼラが息絶える最期の瞬間では黒い薔薇が効果的に使われています。
この黒い薔薇が表象するものについて、じっくりと考えてみたいのです。↓
つまり『ライチ☆光クラブ』で徹底的に自然を排除した古屋ですが、少年の心象を自然(花)を通して表現することで、少年と自然の深いつながりを示唆しているようにも感じられます。
『インノサン少年十字軍』で救いを求めるエティエンヌの恋心を蝶や花が代弁します。↓