杉浦茂「アンパン放射能」は秋田書店の「漫画王」に1965年1月から8月まで連載された。ここでの放射能とは、どうやら突然変異を起こす薬のことみたいで、実際の放射能とは関係なさそう。この薬、生物以外にも効くようだ。
翌昭和24年に杉浦茂が「キリン号のたび」を描いている。これも登場型ロボット。物凄い格好になって空を飛ぶ。
「墓場の鬼太郎」の「大海獣」の話で、鬼太郎が大海獣の血を注射されて大海獣になってしまうのですが、この注射がばかに痛いんですよ。
「カムイ伝」の随所に登場する謎の巨人山丈も気になる。第1巻ではせいぜいジャイアント馬場程度の大男だったが、最終巻21巻で百姓一揆を応援に現れた時はゴジラ級の大巨人に。応援するなら百姓の代わりに藩の軍勢をやっつければいいのに、それはしないでただ大声を上げるだけ。
いくらなんでもそれはないだろう、というレベルの巨大番長を初めて読んだのは、ちばてつや先生の「ハリスの旋風」だった。
「男組」の番長漫画が他と異質なところは、原作者が左翼というところにある。だから男組には左翼暴力集団の革命臭がある。ラストシーンはワルシャワ労働歌の歌詞が流れて主人公が単身、影の総理(岸信介?)暗殺に向かうところで終わる。