「一段上に」とはこの親子の間で取り決められた言い方なのでしょう。MiG-31XMセマルグルは、古典的な液体ロケットブースター装備なので、高空に上昇するのに不可欠なブースターの使用回数とタイミングが青雷よりも不自由です。
IOSSは軍からの出向も多く、比較的各国の軍隊との連携を取りやすい関係を構築しています。目標の捜索のためにも、現地の軍隊の協力は欠かせません。
忍の「見えなくなる」能力は、電波と視覚、更にはIR(赤外線)でも確認されます。IOSSの機体はステルス性の高い天翔体を相手にする関係から、IRST(赤外線捜索追尾システム )を装備していることが多いです。
忍さんはまだ経歴が浅いのでこのような「能力のゆらぎ」を体験していません。人によっては能力が暴走することもあり、力の種類次第では大変な事態に発展します。実はそういった事態に対処する火球の子もいるのですが、登場はもうちょっと先のこと。
ここで先程の情緒不安定が効いてくるわけですね。火球の子の能力は精神状態に大きく左右されます。コクピットでは常に体調をモニターしているので、この時のデータはフィードバックされて次回以降の任務に活かされることになります。
遺された親子の哀しい決意。彼らの乗るMiG-31XMセマルグルはソユーズロケットに使われるRD-107エンジンを流用していますが、基本エンジンは一度点火すると再点火は困難なのでブースターの点火本数で調整します。「セマルグル」はスラブ神話の神様で、その姿はグリフォンに似ていると言われます。
読者の方からも指摘を受けたのですが、本来は英語だと「離陸に支障ありません(cleared for take-off )という言い方をします。でも、日本語だと「離陸許可」と書かれたりするんですよね。調べてみたら「clear」には許可という意味合いもあるんですね。雰囲気優先であえてこういう書き方をしています。
この弾道ミサイルは「RT-2PM2トーポリM」、移動式の重トラックに乗せられていて発射場所の移動が可能なタイプです。実戦では550キロトンの核弾頭を載せて1万キロ以上の射程を有しますが、この作戦では弾頭を訓練用に換装して、近距離への弾道飛行軌道をとっているはず。
「速いやつは許さない」ということですね。こういう本能に忠実なところから、天翔体は「生き物ではないか」と推測されています。その正体が明らかになるのは…ぜひWEBでの連載も追いかけていただければ。
忍さんは他人に感情移入するタイプのようです。いい子なんですよね。さっきの怒りから一転感情が不安定なのは後の伏線。
パイロットのヤーコフさんは娘が心配でIOSSに無理やり入隊した親馬鹿。Su-27の艦上機版Su-33に乗っていた海軍パイロットでした。
戦闘機パイロットは尿意や体調の変化を防ぐために飛行前はカフェインは摂らないことにしている人もいるそうです。