でもこれってさ…よく考えてみると、トランプが勝ったというデマに踊らされて議会に突入した暴徒や、いまだにオリンピックが開けるものと思い込んでいる一部の日本人とまったく同じ構図。あれから80年近く経っても、政治的煽動の構図はまったく変わらないということか…
昨日から言っているように『その女ジルバ』原作漫画の眼目は、中盤から明かされるブラジル移民の影の歴史。中でも驚かされるのは、自分たちの既得権益を守るため、「日本は戦争に勝った」というデマを多くの人に信じ込ませた臣道連盟という存在を、ここで初めて知ったことだ。
この前も言ったが、あの壮大な大河ドラマは、本当ならNHKでやって欲しいくらいだが、戦後の内容はかなりダーク。劇場映画では尺が足りない。Netflixのリミテッドシリーズとして映像化してもらえないものだろうか。
特にブラジル移民の「そんな馬鹿な…」という隠された歴史は圧巻。クレジットを見るかぎり、そちらにも触れはするようだけど、本格的なブラジルロケまでして描かれるとは思えない。ご興味のある方はぜひ原作を手に取ってください!
でもね…この第1回で描かれた「今時アラフォー女子の生き方」みたいなドラマは、この物語の本の序章に過ぎないから。この前も言ったけど、『その女ジルバ』の原作漫画は、戦前〜戦後の壮絶な歴史を背景にした大河ドラマだから、その点くれぐれもお間違えなく!
しかしくじらママが草笛光子っていいキャスティングやな。私のイメージは美輪明宏だったが、実際に美輪様だとまわりを全部食っちゃうから草笛さんで正解。
ところで『鬼滅の刃』大ヒットの原因について、不思議なほど指摘されないけど、「舞台が大正時代だから」というのは凄く大きいと思う。果てしなく同じ物語でも、あれが近未来や(ヴァイオレット・エヴァーガーデンのように)架空の時空間だったら、上の世代への広がりにブレーキがかかったはず。