ありま猛 『連ちゃんパパ 1』
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「人間存在の恐怖をあますところなく抉りだす傑作」という評判どおりでした。ところで、この場面、「町のお弁当屋さんの初任給で手取り20万円」ですよ。25年前の作品で。マンガの中とはいえ、どんだけ当時景気が良かったの…。
件の絵師さん、ほかにもいくつかの動画の作画を担当しているのだけど、どれも素敵。ベタベタのシナリオでも、作画の力で魅せてしまう。『美味しんぼ』に出てきた「ネタの味がわからなくなるくらいに酢飯が美味しすぎる寿司」を思い出した。この方、ツイッターやpixivのアカウントないのかな…
『愛と誠』に登場する高岡由紀さん、悪役令嬢ではないのだけれど、セリフ、スペック、所作、なにもかもが、そんじょそこらの悪役令嬢よりも悪役令嬢していると思うんですよね…ウフフフ!
『愛と誠』、とにかく面白いので、若い方にもぜひ読んでほしい。ながやす巧先生の美麗かつリリカルな作画。梶原一騎先生のキレッキレの名調子。物語の冒頭シーンからしてこれですよ。「グッドアイディアひらめいたり!(パチン)」ですよ。このページだけでも相当のオモシロカロリー。
ヒロイン早乙女愛以外の女性キャラの描写がとにかくひどくて、このへんは梶原先生のミソジニーまみれの女性観が強烈に表出しています。現代の私たちはこういう場面を笑って読み飛ばすのではなく、しっかりと批判的に読むべき。『愛と誠』は名作だけど、こういう限界や問題を抱えている。
『愛と誠』は、ゲスなチンピラの主人公にたいして、ヒロインが「愛」という武器ひとつで戦いを挑む大河ロマンです。ヒロインはとにかくピンチの連続。ピンチの原因は100%主人公です。
ヒロイン早乙女愛の母親の初登場シーン。わずか数ページで、この存在感はもはや暴力そのもの。連載当時にもしもSNSが存在していたら、毎週ツイッターでトレンドに上がっていたにちがいない。
こと不良の社会や暴力についての描写となると、梶原一騎先生のペンはひときわ冴えわたる。荒木飛呂彦先生にも影響を与えた独特のセリフまわし、梶原節の妙味を味わってほしい、存分に!
『愛と誠』の主人公・大賀誠の、ある意味で最大のライバル、それが岩清水 弘。ヒロイン早乙女愛への想いを胸に、難局(たいていはヒロインのとばっちり)に立ち向かう。エキセントリックなキャラクターゆえ、パロディのネタにされてきたことで有名ですが…ぜひ、本編でその狂気に直接ふれてほしい!
『愛と誠』の岩清水弘、料理もするし、こまやかな心配りや押しつけがましくないやさしさが本当に素敵なキャラなんですよ。リアルに存在したら惚れてしまいそうです。ぶつかりおじさんやポテサラジジイどもは、せめて岩清水のメガネくらいの存在に生まれ変われるまで、百万回輪廻転生してくるがよい。
どんな悪役令嬢よりも悪役令嬢な高原由紀さんの悪役令嬢っぷりを堪能してください。
「さえずるわ。春がおとずれるとだまっていられない小鳥たちのように…ウフフッ」
まるで前もって考えてきたかのようなキレッキレなセリフが次から次へと止まらない…!