主要登場人物がマネキンのフリをする、あるいはマネキンが動き出したかのように現れるところを描いているためか、ヒロインが悪漢に囚われたシーンで描かれるこのコマが異様なまでに不吉さを放っている。
『チェンソーマン』第99話「2羽」。ニュースを告げるテレビの吹き出し、窓に映る自分の顔を見た三鷹アサのセリフ、テレビに重なる戦争の悪魔がそれに応答する。鏡面/分身性の強調が見事。
6ページ目、状況説明が終わってからの4コマ目にこの回のタイトル通り2羽の鳥が飛んでいる絵。22ページ目の4〜5コマ目に3羽の鳥。3は24ページにも通ずるが「三」鷹にも通ずる。さらに7ページ目には第「四」東高等学校という数字まで。3にチェンソーマンが加わり4になる?
足の話は98話を振り返ると重要なモチーフか?貶める意図があった委員長と気遣いを見せるユウコが共に足に言及。アサとユウコを朝と夕としたら太陽が上る朝と沈む夕方で対照的な名前。100話がひたすら下を向く話だったので、キーパーソンが下降を象徴する名前なのも必然か。
アサとユウコで朝と夕、夜はおそらく戦争の悪魔、昼に相当するキャラクターが出てくるのか。それはともかく98話は戦争の悪魔を見上げるアサの眼が描かれたこのページ以降怒涛の上方向への垂直軸アクションが展開されるが、下を向いたゆったりとした動線が描かれた100話とはアクション演出でも対照的。