こうした僧会信仰のアンビバレンツさ、或いは教義の「反転」を象徴するのがシンボルとしての「目」です。即ち、僧会では神像や面布、都シュワの装飾まで「目」が装飾として重視されています。
しかもそれでいてミラルパは、「僧会による民衆教化が徹底すれば邪教を払拭し、帝国は安定する」ともまだ考えている訳です。正に自分で吐いた嘘に自縄自縛になる、これが悲劇でなくてなんでしょうか(兄ナムリスはこの上ない喜劇として嘲笑していましたが…)
そう考えると、成仏したミラルパの霊体が無垢な「恍惚の人」めいていて、発する言葉も一切内容が不明となっているのは、色々と示唆的に思えてきますね。
最後にミラルパの霊は実際の「青き清浄の地」で消滅=成仏します。現世での執着を捨て、幸福感に包まれながら消えていく…ある意味理想的な最期かもしれません。ですが、それは本当にミラルパにとって「幸せ」だったのでしょうか?
帰宅&夕食終えてひとここち。遅くなったのでナウシ歌舞伎は明日から観るとして、今宵は22時頃から #ナウシカ 考察、シュワ編を少しだけやります。そう、ユパ様ではないですが、問題は土鬼の聖都シュワなのです。
そしてカボのクシャナ編。なんといっても見所は殿下の子守唄。まさかナウシカレクイエムのメロディで歌われるとは!もうこの場面は必見必聴ですぞ(あと「お前が私の死か…」の台詞がしっかりある点もうれしい)。
ヴ王の最後。クシャナへの遺言に続き、最後にナウシカに「もっと前に会いたかった」。此方は原作と順序が入換(原作ではナウシカへの台詞は墓の光から彼女を庇う際のもの)になっていますが、確かに最後にした方が芝居としてしっくりきますね。
なお、本日の考察では、最後に一つお知らせがありますのでお楽しみに。そう、「時は満ちた」のです(笑)。