『カラテ黙示録』鷹匠政彦/落合あたる
全3巻
北斗の拳の安易なパクリという評価は甘受するとして、その当てずっぽうさと外し加減は間違いなく傑作に値するレベルだと思う。何もかも北斗にしてやろうという男気と無駄に高い画力に慄きたい人向けの1冊。
「夢精人形」ハタノエミ
90年代に日野日出志のゴーストライター(あからさまに絵柄が違うのですぐ分かる)をやっていた岩越国雄の別名義。耽美怪奇、汚いオヤジVS美女、意味不明な昇天とサン出版らしい典型的なザ三流劇画であるが女性のタッチは美しく、後の日野作品で画力が安定化することになる。
篠澤広さんの「ままならないね」という口癖はジーニアス故の達観では全然なく、むしろ、強烈な痛みや便意をスマイルで一蹴するくらいの切羽詰まったオプティミズムがあると思う。
『吸血女バイオレット』高園寺司
超難解かつ超希少本として有名な怪奇漫画の全容が白日のもとに晒された!
学園祭パンクバンド、或いは膝がズタズタ状態のマウント斗羽の手によって刻まれたブラストビートは脱臼どころか開放骨折している。しかし秘められた暗い情熱と殺意は伝わる!頑張れ高園寺司!