こういう意味では新人作家はよく『最初のページ主人公の顔を隠す、次ページめぐったら見せる』という演出を使う。これ完全に駄目まで言わないけど、『普通に主人公を最初からちゃんと見せる』のがメリットが思ったより大きい。あんまり普通すぎるからオリジナリティーがないと思わないでほしい。 
   そして『ママレード・ボーイ』の1ページ目はこう。物語を進行させるタイプだが、最初からインパクト絶大。こういう見せると思わず次のページを読みたくなるでしょ。やっぱり見せ方によるだよね。上手い作家は読ませる技術をよくわかる。 
   同じく『1ページ目から物語を進行させる』タイプでも、湯神くんの場合は普通に湯神くんを大きく見せた。そこまで売りにならなくても、読者にとって『あ、このキャラを見れば物語を分かるんだ』という読ませるの基本をできる。案外に1ページ目の描き方で作者の実力を判別できるかもしれない。 
   この漫画の1ページ目は『物語を進行させる』タイプ。このパータンも普通にあるけどメリットは薄い。さらにこの作品の場合、ガラスはどう見ても見所じゃないのにアップで使ってしまった。編集も煽り文をどう書けばいいだろう迷いを感じる。普通に逆さまのヒロインをちゃんと見せる方がプラスと思う。 
   ちなみに、キャラの強さもシンプルに分かりやすく
モブ:致命傷
レオリオ:普通のダメージ
クラピカ:なんとか防げた
ヒソカ:超余裕
これ1ページだけでたくさんキャラの強さを読者に伝える。本当に上手すぎる。 
   そして1巻の数少ないバトルシーンは8話目のラスト。これもおそらく計算的。『ここから盛り上がるぞ、バトルは2巻にあるぞ!』の意味で、読者を次巻に誘う。キャラを立てるまで戦わせない。この策はまさに大胆すぎる。意味は分かっても普通に真似できない。まさにネームの鬼だ。 
   ジャンプ連載第1話はほとんど54ページだが、ハンターは34ページしかない。なんでこのページで物語を描け切る?1つ理由は、1話に『バトルシーン』にない。
それだけでも充分すごいが、もっと恐ろしいのはそのあと。 
   #漫画製作語り
『減算の極み』の話題。冨樫先生のネームは恐ろしいほど上手い。ハンターの1巻の話で説明します。キツネグマのエピソードで、ゴンと子キツネは友たちになる話があった。 
   #漫画製作語り
作家の『コマを大きく描かないと違和感を感じるからどうしてもページは膨らめてしまう』という話を聞いたら、うしおととらは手本になると思う。週刊連載だから毎回に話を進むように描くためコマはちまちま描いてる時はよくある。それでも面白い。