篠原とおるとか永松健夫のペンの巧みさって顧みられないのよな。かたや劇画技法の中に、かたや黄金バットのインパクトの中にそれぞれ埋もれている。
ビデオゲーム以前の「ゲーム」のニュアンスについては「ドラえもん」のこれが参考になるのではないかと思う。当時読んで脳裏に浮かぶのはこの類。これがビデオゲームの登場によって一気に一般名詞としてのお株を奪われ「人生ゲーム」などの固有名詞しか残らなくなったというのが個人的印象である。
未来予測で言うと、太田垣康男「MOON LIGHT MILE」の中国の台頭が非常に先見性があったことを記しておきたい。その後の現実があまりにその通りになってしまったので、今読んでも逆に当たり前に読み飛ばしてしまうかもしれないが、連載当時は非常にSF的な、野心的設定であり展開だったと思う。