1975年にこれを描けたのは松本零士しかいなかったと思う。大友克洋や原哲夫や鳥山明をコモディティ化したように、我々はまず松本零士をコモディティ化してしまったのだと思う。とてつもない異才なんだけど、それを咀嚼するほどに流行り「もっとあんなのが見たい」という世間のニーズが生まれたからだ。

（天平さん設定盛られすぎ）

（「サルガッソー海」について最高のダジャレを思いついたのだが念の為検索したらあっさり先行例が出てきた）

これ、網点風あるいはドット絵風の効果を期待して、トーンのドットの上から手動で点を太くしたり足したりホワイトで消したりしてるんだよな。すっごい手間。類似例が「わたしは真悟」で見られるけど、この後誰も継承してないと思う。

20世紀は科学の時代だったと思う。んでどんな風に科学の時代であったのかの好例がある。富沢順の「コマンダー０」で、世界の天才科学者５人の頭脳を集めると世界征服も可能というイメージである。今、科学者の知性によって世界征服が可能と考える子供はいないのではないか。

（父ちゃん絶対派遣会社に騙されている）

「あっ」がかわいい。

（父ちゃんムチャ振り）

「レディプレイヤー１」が我々につきつけているのは、この姿を真正面から描けるかどうかであると思う。美化もせず自己卑下もせず。しかも娯楽として成立させ得るか。そんなことはハリウッド映画ではやってらんないから文句は言わない。だがオレたちが無自覚でいていいものかということだと勝手に思う。

（設定が雑）

（今年がもう半分終わってた）

こういう「上の方に居座る貪欲な悪党を退治する」という構図が破綻するのを見たのだ。退治したところで、もっとロクでもない奴が同じ場所に居座り、しかも、火事場泥棒のようにもっと貪欲で無能なのである。豊かな時代がこの痛快な構図を支えていたのだ。飛葉が令和の世を見なくてよかったと思う。