優れたマンガというのは大抵こうした途方もなさがあって、計算では絶対に出ない。どんなストーリーテラーがこの回の脚本を頼まれたとして「この丸太に掴まるんじゃ!」というパワーワードは出てこないだろう。なぜ丸太なんだ。掴まってどうするんだ。そんなのどうでもいいから早く続きを見せろ!
こんなこと書いてもしょうがないんだが、やはりどうしても書かずにいられない。なぜ丸太なんだ。掴まってどうすんだよハアハアハア。
「ほら昔ジャンプに載ってたドリフの似顔絵のマンガの…」で名前が出てこないこの人。忘れないようここに書いておこう。榎本有也。当時、雑誌のマンガ絵と「普通の絵」の間には厳然とした画力の差があって、これが描けるだけの画力を持った漫画家はそうそういなかった印象。
オレが昨晩深夜、仕事の途中で手が止まらなくなって朝の四時までかかって描いた下書きなし一発描きマンガだ! 読んでくれ! いや特に意味はない。
「昔の未来図は車が飛んでいる」について、実は小松崎茂は言うほど飛ばさないことについて記しておきたい。「飛ばしてください」のような依頼がなければ、むしろ空想上のリアリティとして、あえて飛躍を避けたかった部分ではないか。その点では手塚治虫の「鉄腕アトム」の印象が強いのかもしれない。