「赤影」「映画版ワタリ」「ドラえもん」あたりに共通して出てくる「夢のお菓子」みたいなものがある。今では全く共有されない不思議なイメージだと思う。当時の子供というより、それぞれ作者の子供時代の金平糖あたりから来るイメージなのだろうか。今はもうお菓子は夢として出てこないのではないか。
巨人の星と同様に、ヤマトもおそらく過剰なドラマ性から離れることはできなかったろう。どうあっても悲劇的結末に犠牲的精神で突っ込まないと話が成立しない。背負っているものがあくまで「日本の戦後」だからだ。回を追うごとにより凄惨で悲劇的な結末を求めていた当時の自分を空しく思い出す。
非常にいいセリフである。けどまあ、実のところはさらに、それぞれに自分だけが悲しく、自分だけが被害者で、そんな自分は平均的良識人ですよ、というのが人間だと思う。ビーバーがダムを作るようにして、人間というのは実に見事に自分の心に棚を作る。素敵な収納上手である。