「劇画」とは要するに筆圧だったのだと思う。それは握力であり腕力であり、なにより筆圧から伝わる情熱を尊ぶ時代の空気だった。もうこのググっと黒い筆圧は今のゴルゴにはない。年齢のせいであり、皆がさんざん「目しか描いてない」とかネタにして、かえって作者を追い詰めてしまったからだ。
(怪獣の限界)「大きい」「怖い」「口から炎」みたいなのは別に怪獣の必須条件ではない。要するに「怪しい獣」が満たされればいいので、「挙動不審の犬」とかだって十分怪獣の範疇だと思う。ただ犬なのが明白だとそれはただ犬なので「エスパー魔美」のコンポコあたりが「怪獣」の限界ではあるまいか。
よく考えたらこのおっさん、変装が特技なんだから覆面の意味はないのではあるまいか、というか、基本見られたらマズい商売なんだからシルクハットかぶって出かける意味はもっとないのではあるまいか。そこらへんが怪人たるゆえんなのかもしれない。