横山光輝はかなり鋭い未来予測をやっており、空中はカメラ搭載の自律式小型哨戒機、爆弾搭載は地上徘徊型のような、いかにもリアルな描写をしている。無線操縦の安価な小型ドローンにRPG弾頭を搭載というチャチさが逆に意外だったように思う。
「満賀道雄はこの時確信した。テラさんと風森やすじは陰と陽、本来一つだったものが神によって分かたれて生れてしまった、光と闇の化身なのだと!」
非常にいいセリフである。けどまあ、実のところはさらに、それぞれに自分だけが悲しく、自分だけが被害者で、そんな自分は平均的良識人ですよ、というのが人間だと思う。ビーバーがダムを作るようにして、人間というのは実に見事に自分の心に棚を作る。素敵な収納上手である。
怒る、泣く。しかしこんな時、こんな風に怒る、泣くという「態度」は時代によって微妙に変化し、それが逆にキャラクターの造形にも作用する。炭治郎の健気さ(よく知らんけど)を見るたび、兜甲児の破天荒を思い出すのである。もちろんどちらがいい悪いというのではない。時代による態度の変化である。
これも書いとくけどゾフィーの失墜って多分ビデオの普及以降、ひょっとするとネットの普及以降だぞ。見直すには再放送しかない時代、公式発表の「ウルトラ兄弟の長兄にして最強」みたいなイメージしかなかったから、俯瞰すると意外とヘボいとかわからなかった。たまにツッコむマニアがいたくらいだ。