話の関心ごとは、専ら山田太郎ら同世代選手のFA権行使に伴う大リーグ球団移籍にあった。翌年のアテネ五輪の野球競技もまた一切描かれなかった。当時の水島の国際大会への関心、プロ野球への認識がうかがえる。
水島新司『ドカベンプロ野球編』秋田書店(少年チャンピオン・コミックス)、52巻、p120
『ドカベンプロ野球編』52巻では、2003年アジア野球選手権大会が描かれた。しかし、肝心の日本代表は水島が生み出したキャラクターを中心に構成されていた。各国代表は一切描かれなかった。
(続)
水島新司『ドカベンプロ野球編』秋田書店(少年チャンピオン・コミックス)、52巻、pp113-114
『あぶさん』では、1979年の日米野球を題材にした話がある。実際のスコアとは異なるが、一方的な展開が描かれた。描写から、水島が抱いていた大リーグとの実力差、プレースタイルへの反感が垣間見える。
水島新司『あぶさん』18巻、小学館(ビッグコミックス)、pp132-133、p137
北海道日本ハムファイターズ8年、オリックス・バファローズ5年……増井浩俊、13年間の現役生活、おつかれさまでした。FAで当時弱かったオリックスに来てくれたこと、平野佳寿に代わって守護神を担ってくれたこと、嬉しかったです。
水島新司『あぶさん』107巻、小学館(ビッグコミックス)、p40
それは下図におきましても然りです。2010年07月22日、長崎県営野球場(長崎ビッグNスタジアム)でのフレッシュオールスター。2回表一死ランナーなし、東北楽天ゴールデンイーグルスの戸村健次からソロ本塁打を放った話。中日ドラゴンズの岩崎恭平が2ラン本塁打を放った直後ですから、二者連続です。
漫画家・水島新司の訃報から一年が経ちました。今回取り上げる選手は、元福岡ソフトバンクホークスの猪本健太郎。現在は同球団のブルペン捕手です。水島が描いた育成選手で、かつ景浦安武行きつけの店「大虎」を訪ねた、数少ない90年代生まれの実在選手です。猪本を主題とした話は、三回描かれました。
福岡ソフトバンクホークス、OSAKA CLASSIC 2013(2013年)
杉浦忠
水島新司『あぶさん』105巻、小学館(ビッグコミックス)、p176、p180
(終)
福岡ソフトバンクホークス、創立70周年記念(2008年)
王貞治、杉本正、高山郁夫、小椋真介、山崎勝己、久米勇紀、柳瀬明宏
水島新司『あぶさん』93巻、小学館(ビッグコミックス)、p6、p11、pp18
オリックス・バファローズ、OSAKA CLASSIC 2013(2013年)
金子千尋
水島新司『あぶさん』105巻、小学館(ビッグコミックス)、p175、p178