思考実験的な面白さは、その解像度の高さ故に不気味の谷現象のような背徳感または忌避感をも読者にもたらす。ここまで価値観のバランス感覚を揺さぶってくる作品は久しぶりで嬉しい。中にはこれが苦手な人もいるだろう、昔『ぼくらの』を読んだ時の感覚を思い出した。(画像は完全版4巻)
「あいつは俺だ!(俺と同じなんだ!)」という言い回し、現実では使わないが創作で使われる分には違和感が無い、ただし”決まり文句”と呼ぶには平易過ぎる…という面白い表現だと思う。一番有名なのはジョジョ5部10巻のナランチャかな。それからスーパーロボット大戦64のセレイン。
『アスペル・カノジョ』も『初恋、ざらり』も男女逆にすれば成り立たないじゃないか!というストレートな感想、ネオマッチョイズム(男らしさ2.0)に慣れた自分にとってはその青さが逆に新鮮で微笑ましい。それはそういうものだし結局「男なら死ねい!」なんだが気持ちは分かるよ。(画像は鈴木先生の5巻)
上の問答は車を手動運転することの限界に対する皮肉も含まれますが、単純にこういう常識を問うトンチ話が僕は大好きなのです。他にも『ダンジョン飯』のイカ刺の話や『おとうふ次元(ディメンション)』の野球のエピソードなんかもお気に入りです。
『僕の心のヤバイやつ』のようなイケてる女子と大人しい男子の組み合わせが好きな人に『とめはねっ! 鈴里高校書道部』をお勧めするのが最近のマイブーム。とめはねっ! は柔道家のアスリート系ヒロインと帰国子女の文化系主人公が書道で切磋琢磨する、最高に爽やかな漫画で読むと元気になれます。
【原作版左ききのエレン25巻】予算300万のペライチ広告に漫画を提案することに対しての熱い応酬。自分も「バズった作家が時間遅れでプロモーションに登場して寒く感じてしまった(もちろん作家と広告に罪はない)」経験があるから、財前社長の意見はご尤も!と思った。