鞍馬しょう平先生はバロン先生のアシスタントを経て独立されたとのこと。絵は影響を感じますが生活感のある描写が優れていて、単行本「あの頃少年物語」は昭和30年代初頭の鹿児島の生活や少年の心情が描かれた良い作品です。フィクションですがバロン先生の御実家の看板が描かれたコマがあります。
82年創刊の双葉社「劇画Aクラス麻雀」という劇画誌に鞍馬しょう平先生の作品が掲載されていますが、この雑誌ではモンキー・パンチ弟の加藤輝彦が「てるひこ・かとう」名義で連載していてアクション創刊時の二枚看板作家のそれぞれの弟が描いているというちょっと面白い雑誌です。
バロン吉元先生の「殴り屋」の第3巻に岸根屋という店が出てきますがこれは1980年まで実際にあった根岸屋がモデルです。黒沢明の「天国と地獄」にも出てきます。24時間営業だったのでバロン先生は夜中3時頃に行っていたりしたそうです。
漫画少年 昭和28年2月号。小川明良「ミカン」。この洗練された未成熟感が古さを感じないというか、今でもウェブ漫画でこんな絵を描いている人がいてもおかしくない気がする。漫画少年入選常連者で坂本三郎との合作もある。