漫画少年 昭和29年10月号。おくむらのぞむ「イコール・ランド物語 」。宇宙に星ができて動物の国ができるも土地争いを発端としてついに世界が崩壊するという話。動物が人間に生まれ変わって光に吸い込まれていくラストがイデオン発動篇っぽい。
もう1作品見つけました。つねやまたかし「帰って来た男」(トップパンチ1972年1月増刊号掲載)です。劇画調の絵柄になってます。これがまたいい作品で、長谷川伸作品のような任侠ロマンものですね。子供の描き方が面白いです。
新関健之助「親分子分」(1937年)のこの階段落ちの場面は戦前の漫画とは思えないくらい見事で手塚治虫「奇蹟の森のものがたり」(1949年)でも階段落ちの場面があるけれども「親分子分」を意識して描かれたような気がします。
バロン吉元先生の貸本時代の作品「鉄火野郎 No.8 破れかぶれ」(1964年)、時代を先取りしすぎて竹宮惠子先生の作品みたいになってます。
吉元正(バロン吉元)昭和41年「少女と黒人兵」。この時期にこんな表現をしていたのはバロン先生だけではなかろうか。山田参助先生とのトークイベントで「この頃の描き方を続けていればもっと早く人気が出ていたかも」と言っていたのも納得。
この「お月さま」は辰巳ヨシヒロ先生からアパートに一千万が置いてあるのはリアリティがないと言われたとの話で、泥棒が別の泥棒の部屋に盗みに入る代案を出されていましたがその案はバロン先生が昭和35年「第13号室の男」で描かれていました。
バロン吉元・荒俣宏トークイベント補足。バロン先生が初掲載作品の直後に描いたと言及した『いたずらで望遠鏡の前に毛虫をたらして覗いていた子供がアパートの屋上から落ちて窓から出てきた泥棒の上に落ちる』作品とは昭和35年「お月さま」です。