第四章では、家庭で作る本格的な出汁の数々、その秘伝とコツを伝授していただける内容に。これだけの情熱と技術が、一冊に詰まっているというのが、総集編を出す意味。一期一会がほとんどな同人誌の中、また会えたことの嬉しさを感じれる、まさに珠玉の一冊ではないかと。
さらにさらに、15年前の青春を今でも熱く叫ぶ奴らがいるらしい…と同人界隈をその評判が駆け抜けた結果、俺にも描かせろ、いいや私もだ!と続々と参戦する超豪華ゲスト陣!…こんなドラマティックな進化をした同人誌なんて見たどころか、そもそも聞いたことが無いっていう(苦笑
全44ページという、パロディ本にしては厚すぎる、ガチの警鐘をこのようなマンガで濁しつつも、容赦なく読者の喉元に突きつけてくる迫力。この本は洒落で読むべき本ではなく、真剣に向かい合わないとこっちがヤラれてしまうほどの骨太な名著なのでありまして。
本書はいわゆる団塊Jr世代に向けられたモノとなっており、数々のコミックの名シーンをパロディしながら、本文はさすがの町田節。平易な読みやすい文章の中に、とてつもない熱量が秘められたまま、我々オタク、特に中高年世代に、今そこにある危機を訴えかけてきます。この熱料はパない!!!
裏表紙もペタリ。…ふふふ、キテますねぇ、これはかなり(笑)。今が楽しくとも、時間はオタクにも政治家にもアイドルにも平等に流れ、過ぎてゆくもので。日々の辛さから目を背け、ただ同人活動に逃避するだけではいけない、という氏の理念が怨念のように籠もった大力作となっておりまっス!
福祉問題も次なる新時代には大爆発する予感がひしひしとする中、今のこの平成が終わるタイミングで世に問いかけるのは、非常に重要かつ、好感が持てます。複雑な話に終始するのではなく、初心者にもわかりやすく伝えようと努力している面が随所に見受けられ、ぜひ本書をきっかけにしてもらえれば。