電柱マニアと一緒に「そらのうえのそうでんせん」も購入。
絵本ながら空間やディテールがよく描かれていていいですね。鉄塔好きは是非。
私はこの話を勝手に「アスレチックハウス型」と名付けたい。
アスレチックハウスはドラえもんの話で、この回も通常の展開とは違うイレギュラーな回。のび太のために道具を家にセットしたドラえもんが、道具で変質してしまった空間で自分が孤軍奮闘することになってしまう。
道具で変質した環境で四苦八苦するというのはドラえもんにおいて定型パターンだけど、この回はいつもののび太が四苦八苦する話と違ってドラえもんが『人知れず孤軍奮闘する』話。
この『限定空間で人知れず孤軍奮闘する』という点がこの回の特徴要素と共通する。
無理やりこじつけするなら、女性神話には「冥界下り」という主人公がどん底に陥るパートがあって、この二作品の主人公は片思い系キャラなので、アーク的には似たようなものをなぞるのはなぞるだろうと思う。
でもシチュエーションから演出までソックリなのは説明不可能。
色んなトコロが徐々に壊れていき、何処が最期まで遺るのかが楽しみになりつつある。
これを「フリーザの愉悦」と名付けたい。
メタ的な読みになってしまうけど、これだけ露骨にアリアの事情から一花が離されてるのは今後ガッツリ事情に絡んでくるからなのは明白なわけで。
今回のアリアの血を舐めようとして拒否されるくだりやアリアと一花の婆ちゃんの過去から見ても、一花が本格的に事件に介入し始めるまでが前座の模様。
何より痛かったのが連載誌移籍騒動で。私もあのゴタゴタで一度関心が離れた。打ち切りで終了したと思ってた時期もある。
YJ版の「巻かなかった世界」も、全巻のストーリーを通して見ると必要だったかなァ………という気がしないでもない。バーズで連載続行出来てたらそのまま完結してたように思う。
人形キャラばかり取り沙汰されるけど、主人公のジュンの設定は今見ても結構攻めてると思いますね。
シンジ的な根暗主人公の系譜だろうけど、「引きこもり」という設定を真正面から描いてる作品は今も珍しい。あのひねくれ具合がこの後の俺ガイルの八幡とかに繋がっていくわけで。
私はPEACH-PIT先生が原作で描く「青少年の闇」が結構好きでして。やりすぎず嘘臭くもないなかなか痛い所を突かれてくる。
YJ版のうだつの上がらないFラン大生というのもイヤ~~な描写が見事だったけど、「大学生もの」はアニメ漫画界隈ではあまりヒットしない法則がある。
ローゼンでは大枠のテーマとして「生きること」というのが在る。
命を持たず、あやふやな存在故に闘い続ける人形の真紅と、生きることから顔を背けているヒキコモリのジュンの対比が原作の当初の要。
その辺りのメッセージの力強さがあまり語られないのが残念。確かにキャラクターも魅力的ですけども。
ちなみにローゼンメイデンというとどのドールが好きかという話に必ずなるけど私は圧倒に真紅です。
私はどのキャラ派議論になるものは大抵作者が作品のなかで一番推し出しているキャラになる
一時期は不人気だとか言われたけど、ローゼンメイデンという作品はやはり真紅を一番魅力的に描いてると思う