「彼はどこから来てどこへ行くのか…」出崎統の矢吹丈の捉え方はこれだ。そしてホセ・メンドーサはそのために負けないと思うがそれをひっくり返され恐怖に怯えていく…。この名セリフは若き日、貸本劇画の作家だった出崎統が心に刺さった忍者武芸帳の影丸の一番有名な言葉を受け継いで語らせている。
竹内寛行版鬼太郎は死ぬまでに全話読めるのだろうか?そもそも鬼太郎は紙芝居で伊藤正美さんが作った。それを水木先生が紙芝居、貸本漫画に描き途中で出版社を変わったら、元の出版社が続きを竹内寛行さんに描かせた。合意してますが著作権は伊藤さんにもあると思います。竹内版を読みたい人は多い…
日野日出志先生はメジャーデビュー作、蔵六の奇病、続く地獄の子守唄でいきなり伝説を創られた。子守唄の雑誌の表紙は「話題ごうごう」というよくわからない造語だし1ページ目は「少年画報の編集部は責任を負わない」だし、最後の柱は「みなさん気をつけなさいよ」という注意です
そしてどろろは優れた政治漫画でもある。最近の映画やアニメはこの大事な部分をきちんと描いていない。妖怪万代とは大衆を操る資本家の事です。小説を書いた辻真先さんは更に文章でトドメを刺していますね。サイボーグ009の太平洋の亡霊といい、素晴らしい仕事をなさってます。
どろろは妖怪マンガではありません。と言う手塚先生の言葉は嘘じゃない。百鬼丸は妖怪よりも戦に簡単に加担する侍を多く斬っている。3枚目のこの気の毒な侍も自分の女房子供の為に戦に加担して何の罪もない他人の子供を斬ってきた訳です。