まもなく来る年はウサギ年ということで、120年前の宮武外骨先生(慶応四年、七赤金星の卯年生まれ)からメッセージ。一枚目「ライネン卯」はたぶん「ライオン印」、二枚目は「ライオン歯磨」広告のパロディ(三枚目参照)。明治35年の「滑稽新聞」より。
江戸川乱歩も小松左京も、手塚治虫もさいとう・たかをも紙の上に再現しようとし、ミステリ作家カーやステーマンも影響を受けた完全芸術としての「映画」。でも、それは現実の今のそれ、ことに「邦画」とは全く違うようで、ではいったい何だったのかを最近よく考えます。
#この現場見取り図がすごいミステリ
「赤死病の館の殺人」で特筆すべきなのは、コミカライズ版で宗美智子先生@micchi0109が描いてくださった第二の事件の現場。これ、実は漫画オリジナルなんですよ。小説本に再録したかったぐらい。ちゃんとお礼を言う機会がなくてすみません。
#ジャズをBGMに読みたいミステリー
作者・国枝史郎の言葉「ある人が僕に云った。『この作はジャズですね。この作を読んでいると踊り出したくなります』と。そうだ! 僕もそう思う、この作はジャズだと。この作を読んで踊り出さない読者はジャズという現代を風靡している音楽を知らない非現代人だと」
鈴木光明先生著『少女まんが入門』(1979)より、ありきたりなストーリー・ワースト10。ひょっとして世代が交代しパターンが一巡して、逆にこれが新鮮に感じられたりはしてないか。なお、スキャナーにかけたら本が割れかけたので、これ以上はやめときます。
そういえば、ネオ少年探偵で本邦の良き伝統である「女装」を描かなかったのは残念でした。 https://t.co/yXnNzYQIz6
ところで、TSものの一大ジャンルである「憑依」も手塚治虫先生はとっくに描いている。昭和25年の『ふしぎ旅行記』より。
そしてお次は嵯宮すかい https://t.co/a6AQbr2SvR さんの『空想途中下車』、女の子と旧型飛行機ときては読まないわけにはいかないでしょう。収録作「天翔り」の冒頭を見ただけで、わかっていただける方はわかっていただけるでしょう。
毎度の引用、『ふしぎ旅行記』。小説も漫画もプロもアマも商業も同人も、作者はみんな脳内にこんな撮影所があるのだと思うと楽しい。「映画」はかつて世界そのものだった。なお、このハリウッドめいたスタジオ風景は、京都太秦での見学から妄想したものだという。"夢の工場"でも夢を見る人・手塚治虫。