「のろわれた手術」。この手の話のキモは「他の人は呪われたのに、主人公だけは何故、呪われなかったか」だと思うのですが、そこを黒男先生の「医師としてのプライド」とかけたのは上手いと思いました。しっかり手術料も上乗せするし(笑)。絵面は不気味だけど、これは「いい話」だよね。
「未知への挑戦」。これも短編として、異様に良く出来ている。話のきっかけ、手術せざるを得なくなる状況、途中のピンチ、そして、いいオチと酷いオチがダブルでつくラスト(笑)。全てが完璧。これはちょっと手塚先生、してやったりと思ったんじゃないでしょうか、と勝手に思う(笑)
「犬のささやき」。これは死んだ恋人の声を録音したテープを犬に仕込むという、別に重病とかじゃないし、ブラック・ジャック自身も「アホか」という話なんですが、もうクライマックスの一コマの為に存在する話です。ここまで持ってくるGOD手塚は凄い。そこはかとない希望を持たせて終わるのも凄い。
「ナダレ」。ブラック・ジャックは脳手術が絡むと「脳を弄ると、生物は本来の存在ではなくなるのではないか」というテーマになりがちだが、それが色濃く見事に出た一本。モンスター・ホラーの様に見えて今回、読み返して「ナダレは大江戸博士から婚約者の事を聞いて、わざと襲ったのでは」と思いました
「雪の夜ばなし」これは優れた怪談ですよ!不気味な兄妹と、見えない母親(患者)。そして中盤で大ドンデン返しがあってから、一気に「あちら側」に引き込まれていく黒男先生。「イイ話」になりそうで、しっかり命を奪われそうになってオチをつける!GOD手塚のストーリーテラーっぷりが堪能出来ます。
「化身」。ヒューマンな一面で忘れがちだが、黒男先生には悪魔的な面もあり、無茶な要望を叶えたものの、それにより依頼主の、黒い一面や過去を暴く話が多い。人間に馬の脳を移植する、一見トンデモなこの話も「死して結ばれた人と馬の友情」「息子を束縛した報いを受ける依頼主」を見事に描いている。
#ブラック・ジャック トンデモ手術編「人間鳥」。歩けない少女を飛べる様にし、最後は鳥にして山に放つ話だが、恐らく初めて(?)母親絡みの黒男先生の不幸な過去が物語の中で語られた話。その意味では、死の香りに満ちた作品であり、先生は「母に似た少女」の緩慢な自殺を手伝ったのかも知れない。
twitter改めXに流れてきたから、完結済みの「姫乃ちゃんに恋はまだ早い」を一気読みしちゃった。ゆずチリ先生はアンジャッシュのコント的な「情報格差ギャグ」が得意だけど、本作は小学5年生の「恋愛脳の女の子」と「ゲームにしか興味がない男の子」のギャップで笑わせる。凄く上手い。
チャンピオン・コミックス17巻「魔女裁判」。ズバッと決まっていたオチのセリフが、時代とともに修正されたんで「あれ?」と思ったら、文庫・全集などへの収録もなし。やはり奇形の話はダメみたい。「ブラック・ジャックを見下していたエリート医師が共闘する」という熱いパターンの話だけに惜しい。
チャンピオン・コミックス13巻「最後に残る者」。タイトルがカッコいい。ドクター・キリコ絡みの名作だが、全集・文庫などでは省かれる。先天的な奇形を扱った話はダメみたい?ちなみに当時はまだ東西ドイツに分かれていて、西ドイツでの話。キリコを入国で足止めさせやすかったからか?
#ブラック・ジャック 好きなオチ番外編。いい話に限り文庫・全集未収録編。チャンピオン・コミックス3巻「血がとまらない」。これは子供の時に読んで美しいラブストーリーなのと、先生でも治せないのにショックでしたね。「加山雄三の〜」でもドラマ化されたが現在は欠番。全集、文庫等でも外される。
子供の時や、若い時は「可愛い子ちゃん系」が好きだったが
この年になると、GOD手塚の描く、「高貴な感じの強気系ツンツン女子」が、たまらずグッと来る様になり
更に、こういう強気系女子を、追い込み、いたぶるGODの性癖が
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