普通なら「仕事ばかりが人生じゃないぜ!」という方向に行くところだが、
むしろ仕事方向にアクセルベタ踏みし、奥さん主導でハンコ押しのリハビリに取り組むことになる(麻痺のリハビリには最適解の一つらしい)。おじさんは厳しいが同時に慕われてもいたのだ。さすが和久井留美っぽいだけある。
「『スーパードクターK』時代はほぼほぼ筋肉で解決していた」とよく聞くが、仕事を生き甲斐にする和久井留美みたいなおじさんが脳血腫で倒れてから糸が切れたようになり、手術は成功するもリハビリに身が入らず…という筋肉の入る余地がない地味エピソードもあったりする。
『K2』はKAZUYAすら完治できなかった病を現代の発達した医療で処置する話が多いけど、実は『スーパードクターK』初期エピソードで通過済みのパターンだったりする。君と僕だけの秘密だぜ。
ここでTETSUがKAZUYAをぶん殴ってるのは色々あって自信を失いかけてるKAZUYAに「お前がそんなんでどうする!」と活を入れてるシーンなので特に因縁とかそういうのではなく、しかも原因作ったのはKEI。更にTETSUはKEIに殺されかけたが特に触れない辺り人間が出来すぎちょる。
『スーパードクターK』は平凡な町医者・高品とKAZUYAの出逢いで始まり、年老いて医学界の権威となった高品とその息子が新たな"K"と出逢うところで終わる完璧なラストなので『K2』無料期間でハマった人は是非触れてほしい。『Doctor K』終盤のKAZUYAと高品の最後のやり取りはメチャ泣けるぞ。
『Doctor K』最終回は老いた高品とその息子が新たな"K"と出逢うところで幕を下ろすんだけど、『K2』序盤で高品に旧作ラストの台詞を再び言わせることで「この世界は旧作ラストと違うパラレルワールドの話ですよ」と示唆するの、めっちゃ誠実ですよね…。
いきなり文句から始めてしまったが、なかなか見ない組み合わせで短編が読める楽しいシリーズではある。『THE NEW DEAL?』なんて「最近の若者は分からん!」とボヤく戦前生まれの爺さんとネオナチ気取りの悪ガキと、組み合わせだけで面白くて特に好き。
#好きなアメコミを語る
『K2』、旧作の「いくらKAZUYAでもバットでぶっ叩かれたら気絶するよ」っていうシーンを「頭ぶん殴られても気絶はしないよ」って紹介してるのめっちゃ誠実ですね…。
『K2』、旧作の「過換気症候群の患者にはビニール袋を被せるとよい」っていう治療法を「場合によっては逆効果だよ」「っていうか今では推奨されてないよ」と紹介してるのめっちゃ誠実ですね…。
まあそんな彼だが、伝手を頼って『ナニコレ珍百景』に出たら登録ならずで終わったり、凄惨な動物実験の実態を目の当たりにして動物愛護主義者になったり、宇宙人とタイマン張ったりしてたら晴れてリーグに入れました。良かったなぁ…まあライターはグラント・モリソンだけど…。
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