「よーく考えて見るってぇと、自負心とひがみは背中合わせですな。同じ一つのことでも「人がどう思うだろうか……」とそればかり考えてるってぇと、ひがみっぽくなったり、その反対の自慢をしたりすることんなります。」(安野光雅『空想亭の苦労咄 「自伝」のようなもの』ちくま文庫、P103)
「ジブリ美術館は、井の頭公園という東京都が管理する公園の中にある。通常であれば、公的な土地に民間の建物を建てることはできない。そのため、建物の「負担附き寄附」を行うという方法をとることで三鷹市の施設になった、少し特殊な経緯がある。」(『マンガミュージアムへ行こう』岩波書店、P144)
「お面は平面ですから横がないわけです。横顔がない。平たい顔が動いていて表情があるようのに見えるためには、よほど身体の工夫が必要です。また、踊るほうでも、視界が限られて、目が利かないというハンディがあります。」(長谷部浩編『坂東三津五郎 踊りの愉しみ』岩波書店、P16)
「土用の丑の日」に読みたい本といえば、徹底して「うなぎ」だけを食していくグルメ漫画・ラズウェル細木『う』(全四巻、講談社)。「うなぎ」を食すときのこだわり(タレ、山椒、酒など)や鰻料理屋レポートなど、とことん「うなぎ」を味わい尽くせる一冊です。(画像右は、第1巻のP6)
「ハブが家に侵入するのは、木に登れる能力と関係している。蛇には、地面を這うだけの蛇と木に登れる蛇がいる。後者の蛇は複雑な立体構造も理解できるため、タンスの上の空き箱や本棚の本の裏にも身を潜められる。」(服部正策『奄美でハブを40年研究してきました。』新潮社、P20)
「人は本を読まずに生きて行ける。読まずとも考えればよい。然し実際問題として、本を読まない生活に思索が行われるか。今の自分には否としか云えない。本を読まないだけでその生活はヌカっていると断じて誤りであろうか。」(北杜夫著、斎藤国夫編『憂行日記』新潮社、P172)
「だいたいボクはオジサンの
「昔はやったもんだよ」
みたいなのがキライで
昔の
こととか
訊かれても
「アレは、当時は誰でも…」
みたいに流してた」
(安彦良和・斉藤光政『原点 THE ORIGIN』岩波書店、P5)