「若い人たちが関心を持っていることに素直に興味を抱けば、喜んでいろいろ教えてくれるでしょう。すると世界が広がるし、感性も若返ります。好奇心は、精神を若々しく柔軟に保つための特効薬のようなもの。」(石井ふく子『歳はトルもの、さっぱりと』中央公論新社、P83)
「「文弱の徒」という言葉がある。学問や文芸に耽って体の弱々しい人のことを言う。が、この形容は正しくない。長時間にわたって文字を読むのは、明らかに体力勝負だからだ。」(山藤章二『まあ、そこへお坐り』岩波書店、P52)
3月10日は砂糖の日。
「砂糖は奈良時代にわが国にもたらされたともいいます。その将来者として鑑真和上の名前が挙げられることが多いのですが、これは唐から日本へもたらそうとした品物の目録に「石蜜・蔗糖等五百余斤、蜂蜜十斛及甘蔗八十束」とあることによります」(『図説 和菓子の歴史』P35)
こういう考え方に触れられるのも、読書の醍醐味。
(参照:『こちら葛飾区亀有公園前派出所』第47巻、集英社、P133)
2025年の大河ドラマの主人公が蔦屋重三郎であることもあり、書店に関連書籍が大量発生中。新書の新刊だけでも5冊以上は出ている(PHP、星海社、宝島社、文春など)。私は平凡社新書の蔦屋本を読んだ。著者の鈴木俊幸氏の論稿は、他書で参照されることも多いため、手堅く安定した内容となっている。
刺激的な言語学本を発見。
『新敬語「マジヤバイっす」』は、若者ことばとされる「ないっす」などの「っす」言葉に注目し、その言葉づかいに「ス体」と名付け分析した一冊。本書では、最も古い「ス体」として、1954年10月12日の『朝日新聞』掲載の『サザエさん』をあげている(P12)。
#サザエさん
「売れる、人気がある、注目されるということを望んでいないものはいない。圧倒的大多数はそういう機会に恵まれない。まれに恵まれても、瘦せ我慢しきることができる人はさらに少ない。人間はみんなとてもさびしい存在だから、しかたがないのだ。」(三木卓『若き詩人たちの青春』河出文庫、P123)
徹底して「うなぎ」だけを食していくグルメ漫画・ラズウェル細木『う』(全四巻、講談社)。「うなぎ」を食すときのこだわり(タレ、山椒、酒など)や鰻料理屋レポートなど、とことん「うなぎ」を味わい尽くせる一冊。(画像右は、第1巻のP6)
#土用の丑の日
「親が楽しそうに本を読んでいる姿、あるいは真剣に本に没頭している姿を日常的に目にしていると、子どもは「本って、そんなにおもしろいのか」と本に興味をもつ可能性が高いし、本を読むというのを当たり前のことのように感じるようになる」(『読書をする子は〇〇がすごい』日本経済新聞出版、P196)
散髪をしていてつくづく思うこと。
(参照:『つげ義春コレクション 近所の景色/無能の人』ちくま文庫、P150)
「国語辞典の作り手は、なるべく多数派の人が感じるニュアンスを、ことばの説明に書き添えようと努力しています。それでも、辞書によって判断が分かれる部分はどうしても出てきます。ある一冊の辞書で説明されているニュアンスがすべてだとは言えないのです」(飯間浩明『つまずきやすい日本語』P28)