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「ふた月ほどでばれて、三郎右衛門がケチなものだから、ひどく怒ったが、どこまでも知らん顔をしてやり過ごした。蔵宿でもあれこれ調べたようだったが、ついに知れずに済んでしまった。」
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「おれは竹内の隠居を騙して、とうとう三郎右衛門の判を偽造させて、蔵宿で百七十五両、勤めと入用が林町に急にできたと言って借りた。正之助、竹内、諏訪部龍蔵の三人が、肩衣で道具箱を持って行ったから、蔵宿も疑わずに金を出した。」
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「おれの身の上がこうなったのは、誰かが大兄に勧めて、おれを詰め牢にまで入れようとしたからに違いなかった。
そこでいろいろ工夫をして詮索したら、林町の兄が、先年におれに恥をかかされた仕返しに、家中寄ってたかって、大兄にあることないこと告げ口した、と確かに聞いた。」
勝小吉37歳。男谷家で大兄に檻へ入れられそうになり、隠居した小吉。原因は次兄と突き止め、仕返ししようとしますが…。
マンガ『夢酔独言』百三話(1/4)
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「本当に修行したのは、剣術ばかりだ。全体、おれの家が剣術の家筋だから、おれの親父も、骨折つて修行させうと思つて、当時剣術の指南をして居た島田虎之助といふ人に就けた。」
#勝海舟
勝小吉37歳、息子麟太郎(後の勝海舟)16歳。出世の道を絶たれた麟太郎は、剣術使いの島田虎之助に弟子入りします。
マンガ『夢酔独言』百二話(1/4)
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※このへんは小吉が暴れるだけのフィクションくだりです。
妻の信がひきつけを起こしていますが、後の手紙でそうゆう症状があったとの記述があり、それを参考にしています。
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「その後、初之丞殿は一橋家へ養子入りし、同家へ海舟先生を召し出すという御内命が出た。先生が家督を継いでからとのことで、夢酔君は隠居の願いを出したが、初之丞様殿は逝去され、先生が家督を継ぐのに間に合わなかった。」
(※『海舟伝稿』より意訳)