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「ある日、今井三次郎がおれを訪ねてきた。長谷川が斎藤監物に騙された話をおれがしたら、今井が、自分も同じように騙されたと言う。
おれが監物の居所を聞いたら、
『浅草日音院に居る』
と答えたから、
『騙し取られた金を取り返してやろう』
と言った。」
#はやおき訳
勝小吉30代頃。友達が金を騙し取られた話を聞き、騙した男を訪ねる小吉。男の弱みにつけ込もうと、小吉は騙した男と仲間のフリをしますが…。
マンガ『夢酔独言』九十五話(1/4)
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「またある時、長谷川寬次郎が斎藤監物という者に会って金談をした。長谷川は金が借りたいから、酒を出してもてなした。
話しているうちに、斎藤が銀山で採れた銀の吹き寄せを見せたら、長谷川も珍しがって、
『家の者に見せよう』
と言って見せて、元の座敷へ戻って銀をそばへ置いた。」
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「『それは品用師というものだ。そやつは普段は立派な格好をしていて、神社や参詣の多い寺、講釈場やらいろいろな所へ顔を出しては、信心深いふりをして、人の目につくように振る舞う。そうして寺の金を貸す世話人を装って、人々を騙して前礼の金を受け取ったら、行方をくらますんだ』」
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「本所北割下水の能勢妙見に、神鏡を一面寄進しようと思いついた。講の者達にも相談して、鏡代十二両を集めることにした。
妙見へ日参する中に、中村多仲という、紀州徳川家の金を取扱う役人だという、立派な侍がいた。講の者が神鏡の話をしたら、
『それは何よりだ。私も加入しよう』」
小吉がまだ隠居しない頃。能勢妙見に神鏡を寄進しようと思いついた小吉。鏡を買う金を集めて中村多仲という侍に預けますが、金を受け取った多仲は、行方不明になってしまいます。
マンガ『夢酔独言』九十四話(1/4)
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「その時は、二尺五寸の太刀を差していた。山の宿中の女郎屋が、三日間見世を閉めた。が、大事にならずに済んだ。
その他、あちこちでケンカを何度もしたが、たいてい忘れてしまった。」
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「銭座の連中と叩き合い、三度二、三町追い返したが、会所から大勢が出て引き分けにされた。
それからは山の宿でも、女郎屋一同、客を送る婆あも嬶も、おれの顔を覚えて気を付けたものだから、何も間違いはなくなった。」
勝小吉36歳。山の宿で銭座の息子とケンカになり、長鉤を持った手代達と叩き合います。
折れた長鉤がブーメランみたいに飛んだり刺さったり、小吉が水を飲んだり飲まなかったりします。
マンガ『夢酔独言』九十三話(1/4)
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