(3/4)
「毎日、朝四つ頃には沖から帰って、船を陸へ三、四町引き上げる。網を干して、少しずつ魚をもらって帰って、小田原の町へ売りに行った。
それから家へ帰って、おからを買いに行って、四人分の飯を炊く。近所へお使いにも行って、二、三文ずつもらった。」
(2/4)
「一緒に行ったら、小田原の城下の外れの横丁まで来た。漁師町に住む、喜平次という男だった。
おれを家へ入れて、女房や娘に、
『奉公に連れてきたから、かわいがってやれ』
と言った。二人ともあれこれ喋って、
『飯を食べなさい』
と言うから、食ってみたらきらず飯だ。」
#はやおき訳
勝小吉14歳。江戸の養家を逃げ出しての放浪の旅の末、小田原で漁師として奉公します。何日か経つと、奉公先から「ウチの子になれ」と言われますが…。
マンガ『夢酔独言』二十二話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
テステス、要約漫画の2ページ目上半分が、おおむね埋まりました。
インクボタ落ちしまくってますが、サシ(定規)を使い慣れてないからです。
ケンカで相手にケガさせたら、頭をへこまされた亀松(小吉)。
#夢酔独言
寝たいの我慢して描いた、東海道を行く小吉です。
背景ナレーションで隠れるから、これくらいでいいのです。
#夢酔独言
府中から箱根まで戻った小吉は、箱根宿の手前のどこかで崖から転落し、恐らく関所を避けるために二子山へ迂回して、その後、小田原三枚橋で人足にスカウトされます。
#夢酔独言
(4/4)
「小田原の三枚橋まで来て、茶屋の脇で寝ていたら、人足が五、六人来た。
『小僧や。なぜそんな所で寝ている』
と言うから、
『腹が減って仕方がないから寝てるんだ』
と言ったら、飯を一杯くれた。
その中の四十ばかりの男が、
『オレの家へ来て奉公しやれ。飯がたくさん食えるぞ』」
(3/4)
「その明くる日、二子山まで歩いたが、日が暮れるから、その晩はそこで寝た。
明け方、三度飛脚が通りかかって、
『手前は夕べ、ここで寝たのか』
と聞いてきた。
『あい』
と言ったら、
『強いやつだ。よく狼に食われなかったな。今度から、山では寝るな』」
(2/4)
「岩の角で金玉を打って、気絶していたらしかった。
翌日、ようやく意識がハッキリしたが、金玉が痛くて歩くことができない。
二、三日経つと、少しマシになった。そろそろと物乞いしながら歩いたが、箱根宿に差しかかると、金玉が腫れて、膿がたくさん出た。」
勝小吉14歳。上方を目指す旅の途中、箱根で崖から転落します。何とか小田原まで来た小吉は、出会った人足に、漁師として働かないかとスカウトされますが…。
マンガ『夢酔独言』二十一話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
(3/4)
「『江戸に入ったら、家まで送ってやろう』
と、府中まで連れてきてくれたが、その晩、親方が博奕のケンカで大騒ぎを起こした。おれの世話をしてくれた親方は国元へ帰ることになり、単物を引き取って、代わりに木綿の古襦袢をくれると、すぐ出て行ってしまった。」
(2/4)
「『まず髪を何とかしろ』
と言って、茶屋の向いの髪結所へ連れて行って、おれを月代にさせた。
『その格好じゃみっともない』
と、奇麗な浴衣と、三尺手拭いをくれた。
『何しろ杖をついていては仕方がない、駕籠に乗れ』
とも言って、駕籠を雇って乗せて、毎日よく世話をしてくれた。」