「苦手でつらかった」のは「人と会う事」と「会話する事」でした。
仕事を続けるためには必要な時間です。
「酒を飲む事や人との会話」が楽しかったら、どんなに良かったろう・・・と常に思いました。
マンガは声を出せません。
いくら描き手が感情を込めてセリフを書いても、文字だけではセリフのニュアンスは伝わりません。
「セリフ」と「人物の表情」を一つのコマに描き、「表情の描き分け」でセリフのニュアンスを伝えるのが基本。
ウソだと思われるかもしれませんが、編集部なんてこんなものです。
精神的にキツイよ〜😢
デビュー前の話なので30年前のことね・・・。
「キャラクターがいい」とか「ストーリーがいい」とか言われますが、「感動する理由はそうなのか?」と疑い続けていました。
私はこう考えているのです。
(マンガのマンガ/ストーリー構成編より)
コマとコマの間の空間に対して名称は未だに存在せず、役割に対しても共通した認識がまとめられていません。
「マンガ表現」としては、マンガ家各自の認識が異なっているので難しいのかもしれませんね。
フキダシに入るセリフは、量が多いと読みづらく読み手の負担になります。
説明をするようなセリフを避け、簡潔に読みやすく整理し「人物の表情+セリフ」でニュアンスを伝えると、スッキリと読みやすくなりマンガとして効果的です。
てれびくんの「アギト」の最終話で、水のエルにボロボロにされた氷川(G3)にこのセリフ「あとは勇気だけだ」を言わせて戦わせたかったけれど、担当氏に止められました^^;
で、氷川が最後の力を振り絞って戦いを挑むセリフはこうなりました。
「てれびくん」で1年間連載していた「仮面ライダーアギト」。
月刊で1回6ページ、1年間だと72ページ。
本になることもなく、原稿の返却もなかった。
残っていたのは、セリフの入ってないデジタル原稿の身。
自分でセリフを入れた最終話の2ページのみご紹介。
デビューできたからといって、素直に喜べるものではありません。
1作だけ本に載って消えてしまう人がいるからです。
「連載」という単語は、マンガ家志望者にとって夢のような言葉なのです。