網野成保「リアリティー」
スプラッタ全盛の80年代末期に奇想ホラーを展開した本書、大友克洋を彷彿とさせるタッチが注目されがちだが、人体を破壊するだけの内容のないホラーが跋扈した当時においては英断と言える内容だった様に思う。
後年の谷口トモオ「サイコ工場」に通ずるカタルシスも見られる。
元々ラブコメを主とする磯野こずえ作品では、ホラーについて"描かされた感"をコメントに残しているという珍しいタイプ。編集の企画で上ったコンセプトとして造詣のないホラーを描く、という流れが実在する事の証左として貴重な一例と言えるだろう。
#同一作家の本誌作品とホラーに見るギャップ
付録でアンソロホラーやるならそれなりに飛ばしてくれるとありがたいんですけどね(りぼん2018年8月号付録)
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尾崎未来氏もこの辺がデビューなのよね。少女まんがチックでエロい、少年まんがチックでエロいという点に背徳感的な需要があったのかもしれない。
児嶋都先生の描くブスも容赦ないんだけど、親近感が半端なくてうっかりすると好きになってしまいそうで怖い! 最高!
とにかく思い付く限りのイカれたホラー描写がてんこ盛りで、読者の「理解不能」からくる恐怖感情を煽ることに徹底している所が大変素晴らしい。
これは読んだらトイレいけないでしょ。