未来で人造人間たちに負け続けて暗い人生を送ってきて、初めて圧倒的に勝てる確信を持って敵と対峙して嬉しくなっているのだと考えるとちょっと微笑ましい場面です。
そして与えた最後の情けをふいにすることに対する失望だけでなく、それ以上に自らの感情を超えて相手に止めを刺さざるを得ない現実に対する憤りや嘆きから、悟空は「バカヤロ───ッ!!!!!」と激しく言い放ち、ひときわ虚しい表情を見せるのでしょう。
だからこそ悟空は自らの「気が済んだ」時点でフリーザと闘うのをやめてしまうわけです。復讐のためにフリーザを殺すことが目的ではないのだから。
身勝手で残虐なサイヤ人としてのベジータの側面を「大キライだった」と突き放しつつ、サイヤ人としてのプライドやアイデンティティを汲んだ結果として、自分は「地球育ちのサイヤ人だ」と悟空は言うわけです。