しかし貸本劇画らしい破天荒な魅力には乏しい。トランプを手裏剣のように飛ばすのと身が軽くて腕っぷしが強いのが忍者たる所以だけど、別にそれほど必然性あるわけじゃないし。ひん曲がった絵。
で、結局その力を使って「一発屋」と称する便利屋稼業に乗り出す主人公。謎の女やギャング団が絡む手垢のついた展開が冗長気味に続く。何かっちゅうと主人公がたたく軽口が抜けた感じがして救いかな。
知らない作者だけど、さいとうたかをというか南波健ニというか江南じょうじというか、パチモン劇画の絵柄。冒頭数ページ、すかんぴんの主人公がたつきの道をいろいろ考えた末にあっと思いついて「実は俺は忍者だったんです」と言い出すところが脱力。早く言えよ!
わが家でいまだに、ときおり思い出して二人で爆笑してるまことちゃんの、らん丸ギャグ。セックスアピールがあるそうどすわ!ガ〜〜〜ン‼︎
この漫画はなんか、そのマスク越しの線(布のシワ)が鬼太郎のとんがった口みたいに見えちゃってすごく損してる。ひょっとこ顔になってる。俺の錯覚かなあ。
楳図かずお『おろち』「鍵」最終話より。近隣の人々から「うそつき」と呼ばれて嫌われているひろゆき(幼稚園児)が隣家の殺人犯夫婦に拉致され、連れ込まれた車の窓からなんとかパパに危機を知らせようとする場面でコマ割りの流れに組み込まれた不思議なタイトル。単行本では修正。完全に忘れてた。
『ヒゲとボイン』連載終盤ころだけどインターネットって出てきてた。情事の秘密を知られたけど彼女は無口で友達もいないから大丈夫さ→と思ったら、のオチ。「まったくオタクなんだから」のセリフも。まだスマホは現れてない世界。
これは海外のカートゥーンの呼吸であろう、との指摘があり「なるほどー」って納得したんだけどその後「物体が現れる」だけじゃなく次のコマで「全然違うシチュエーションに飛ぶ」をやり始めてこれは漫画ならではだなあ、と感心した。 https://t.co/p0aHCZq71N