白土三平の作品は強大な権力や自然の前に個人が抗うも非情にも流され苦闘し続ける残酷で過酷なドラマを思い浮かべるがそこには同時に優れて魅力的なキャラクター描写が共存している。『サスケ』の鬼姫は生死を賭けたツンデレを演じるのが現代的で復讐を越え真に生きる意味を得る姿が強く胸を打つ。 
   放送終了後に『たのしい幼稚園』で連載された成田マキホ版ではダリーに体内に侵入されたアンヌが巨大化、防衛軍基地を破壊。体内故に光線技が使えない(映像ではエメリウム光線使ってたが)セブンはアイスラッガーで勝利。アンヌは何も憶えていなかった。
#ウルトラセブン 
   『悪魔の住む花』は『はだしのゲン』の中沢啓治が絵物語化。かおりはダンを投げ飛ばし夜の街を血を求め人を襲うなど吸血鬼譚の色が濃い。セブンは体内で宇宙細菌ダリに苦戦、「私の負けか」と弱音を吐くも注射で形勢逆転、アイスラッガーで勝利。アマギのロマンス描写は割愛。
#ウルトラセブン 
   『たのしい幼稚園』も福元一義が担当。幼年向け戦闘オンリー故アオキは一切出ない。アイスラッガーで切り裂かれた後に身体を液化してセブンを硬化させドリルをつけた戦車でとどめを刺そうとするプラチク星人の戦略展開は講談社テレビコミックスそのまま。ダンが少女の様にに可愛い。#ウルトラセブン 
   『栄光は誰れのために』には桑田以外に福元一義も漫画化。プラチク星人は等身大でセブンにアイスラッガーで倒されるが実は液化して生存。セブンをプラスチック硬化、ドリルを装着の宇宙戦車で「田楽刺し」にしようと図るも返り討ちに。荒木(映像のアオキ)は生き残り改心し赦される。
#ウルトラセブン 
   『栄光は誰れのために』は桑田次郎が漫画化。映像以上に野心家のアラキ(アオキの脚本名)の生き急ぐ姿が丹念に描かれその最期にダンはウルトラ警備隊のバッチを与える。映像では割愛されたアンヌの治療場面も存在。プラチク星人は終始等身大でセブンを硬化するもアラキに倒される。 #ウルトラセブン 
   知的だけどお色気担当、アイドル的な存在のミサトさんが真っ二つに切り裂かれる描写、痙攣や落下した時擬音、鉄也が好きだった人の死体を目の当たりにする描写と容赦がない。兜剣造の遺体は鋼の胴しか残ってのがおらず鉄也が抱きしめる鉄の身体はおそらく高温だったのではないか。
#グレートマジンガー 
   桜多吾作マジンガーシリーズでヤヌス侯爵は闇の帝王直属で地獄大元帥登場以降はその懐刀となる残忍で獰猛な強敵。鉄也の冷静さを削ぐためミサトを斬殺する場面は衝撃。兜所長の咄嗟の戦闘獣への特攻死は思わぬ副産物。となれば最終決戦、ヤヌスだけはトドメを刺して欲しかった。
#グレートマジンガー 
   冒険王終盤の作画は序盤に比べ元々やや荒れ気味ではあるのだがトレースすることでラフでも勢いがあった部分から生気が欠けている。グレンダイザー自体も桜多が描くロボットらしさがなくなっているのがわかる。
#UFOロボグレンダイザー 
   秋田サンデーコミックスの冒険王掲載作品の場合テレビの放送が終わるとその時点で単行本発売が打ち切られた。マジンガーシリーズも最初の2作は最後迄単行本化されたが最終作は終盤が未収録に。結果原稿が紛失しサンワイドではトレースしたものが掲載されている。(続く)
#UFOロボグレンダイザー 
   桜多吾作のコミカライズでは最終決戦後の闇の帝王とミケーネ帝国が描かれユリシーザー将軍も登場。『グレートマジンガー』で地獄大元帥以下鉄也の自爆特攻全滅するがユリシーザーも他の5将軍と共に爆心地にはいたのだが。作中最大の仇敵であるヤヌス公爵の最期は描かれてない。
#UFOロボグレンダイザー 
   『巨人の星』で飛雄馬たちがプロ入りするのは67年冬。現実の同期高卒入団にロッテ村田兆治がいる。
花形や左門は巨人の誘いを断り阪神と大洋への入団を宣言。ドラマ効果を狙いドラフト制度(65年から)がない世界を描いたか単に梶原一騎がドラフトを知らなかったか失念してたのか迷うところ。
#巨人の星