絵柄とかコマ割りとかがちょっとニック・ドルナソを連想させるけど、持ち込んだマンガを読んでる編集者の目が描き込まれたコマと切り返されるマンガ家志望の人物の眉根の強張りが和らいだコマのようなふつっと感情が起こった瞬間の描き方は独特なものだと思ったり。
『チェンソーマン』第107話。戦闘を直接見聞きしてないためか弛緩している避難の光景とそこに割り込む正義の悪魔の異物感。中型モンスター感がある。4コマ目に振り向かない生徒が描かれてるが、「訓練じゃないよ」という台詞が極めて平板なトーンで話されたと思われる。
フキダシが屋内にあるかのような106話のコマはおそらく前の頁に描かれた鳥の視点だと思われる。ナユタ登場に期待がかかるが、このコマの窓枠の十字形に98話のこの頁を連想。ユウコを殺害するとしてそれはコケピーを反復するようなかたちになる?なんとなく結果は逆で一躍ヒーローになったりして。
見開きでは藤本タツキおなじみのモチーフである扉が中央に堂々と。ここではまだ光の中にいるユウコだが、正義の悪魔との契約を告白した場面では影の中に。第98話で悪魔と契約した委員長の来訪を連想させる扉と夜というモチーフの反復。
『チェンソーマン』第105話。前回(右)と同様のコマ割りをしつつ、デンジとの会話がテンポの良い漫才のようなかけ合いだったのに対し、ユウコとのそれは困惑と沈黙が入り混じる停滞した時間が表象される。この停滞と合わせるように夕暮から夜への光量の減少も描かれる。
デンジ椅子に爆笑したが、教室ではコケピー的なかわいがりを受けてるのかなとも思った。「食べたとしても一人だけだね!」発言にふと共食いを拒否するコケピーを連想、というかチェンソーマンが悪魔を食べる共食い悪魔だ。
学生、自動車の落下に沿って視線を下ろすと、奥から手前に突進するチェンソーマンと切り落とされるゴキブリの悪魔の手首が目に入る。今回のアクションで一番好き。