柳沢きみおがLINEマンガで連載している『【新訳】罪と罰』最新話で嫌な感じのサービスカットがあったので、思わず『妻をめとらば』最終回の八一の裸を思い出してしまった。見ろ!この体を!
明後日の「サラリーマン漫画展」でのトークイベント用プレゼン資料を作る中で、『ダメおやじ』初期コミックが昨年から電子書籍化されていたことを今更知る。これは確かに残酷なだけでなく精神的に後味悪いエピソードばかりで、長らく再販しなかった作者の気持ちも分かる。
【翔んだカップル1日1冊】15巻
雄介は圭に対して大胆に接するようになるが、やはり受け入れられずにすれ違う。
春になり、雄介は早稲田、杉村は東大に合格。雄介は圭の結果を知りたくて圭のアパートに行く。圭は久しぶりに会う雄介に笑顔を見せる。完。
二人とも最後まで獣になれないままだった
古谷三敏『ダメおやじ』5巻の「蒸発チクワ作戦」は、会社も家庭も嫌になったサラリーマンが桃源郷行きの資格を得て日常を脱出するという、ウルトラセブンの「円盤がきた!」みたいな切ない寓話で、高度経済成長期の日本は良かったといっても生活レベルではいろいろあったんだろうなと思わされる。
【翔んだカップル1日1冊】13巻
勇介は圭に再び一緒に暮らそうと提案するが、圭は迷った末に断り「いいともだちになろう」と勇介に告げる。しかし圭のアパートが火事になり、勇介の部屋で一時同居することになる。
二人ののモノローグがかなり増えてきた。後の『大市民』スタイルが既に確立してる。
水島新司が野球漫画を描く前、1968年に出版したサラリーマン漫画。人のいいボンクラ社員がスパイ疑惑でクビになり、屋台のラーメン屋に転身するという人情もの。当時はまだ給士という事務職があり、正社員と区別されていたのが分かる。
【翔んだカップル1日1冊】3巻
相変わらず素直になれない勇介と圭。杉村は勇介への気持ちを隠さない。圭に片想いする中山が二人の同居を学校に告発したことで、圭はついに独り暮らしを始める。中山は鬱状態になり学校にこなくなる。
コメディ要素は薄くなり、『ふぞろいの林檎たち』っぽい雰囲気。
サラリーマン漫画展@市川市文学ミュージアムでは、「サラリーマン金太郎」のセリフを小学五年生に考えてもらうコンテストの応募作品も展示されています。それを見て気づいたのは、マンガのセリフを左から右に書いている子供の多さ。おそらく今の小学生はあまり漫画を読んでいないのでは・・・?
【翔んだカップル1日1冊】5巻
中山の事故死に責任を感じた圭はショックで帰郷。同様に落ち込み休学を続ける勇介は、家出して転がり込んできた絵里と寝てしまう。圭は悩んだ末に勇介に告白しようと再び上京するが……。
運命の絆より偶然の出会いに左右される東京砂漠。既にコメディ要素はない。
今週の『相談役 島耕作』。シリーズを長く読んできた人には懐かしい、あの絵のうまい池上君が久々に年老いて登場。一話完結で、人情ドラマだった頃の読後感。
このシリーズも今後は無理にビジネス情報を持ち込まず、早く相談役を引退して、こういう人情路線で老衰を描き切ってほしいな。
毎週水曜日のひそかな楽しみ、LINEマンガの柳沢きみお『新訳 罪と罰』。主人公がパソコン/スマホを否定するという、きみおの普段の主張そのままの台詞を吐いていて、なるほどこれは世捨て人となったきみおがラスコリニコフに自分を投影しようとする作品なのだなと気がついた。