母にとって娘たる自分は存在しないかもしれないー自分を見てくれないーというのは中々辛いものがあります。父ジルも将来の族長としてナウシカを厳しく育てている様子が伺われ、父娘の交流は(特に漫画版では)あまり垣間見ることが出来ません。まして谷の人々には「姫様」として振る舞わねばならない…

このため、コルベットの本来任務としては、浮砲台を上回る機動性で有利なポジションを確保、かつ必殺の艦首ロケットランチャーで木製船体に「わからせ」を食らわせるものだと考えられます。実際、クロトワさん曰く、コルベット十隻もあれば土鬼全艦隊すら「イチコロ」だとか。

また、形成されたばかりの「空洞」に瘴気が残る理由も、「土は浄化完了したが、地上の空気等はまだ浄化完了しない間に、「上」に新たな腐海が形成されたから」と考えれば説明がつくでしょう。そしてこの考えは、「上」に新たな腐海が形成される理由にも関わってきます。

以上の点から、「風使い」としての風の谷の族長には極めて高度且つ特殊な能力が求められ、かつ安全保障上やむを得ない軍役奉仕以外では谷に留まることが望ましくなります。するとここで問題になるのは、酸の湖後にもトルメキア軍に従軍し続けたナウシカの「判断」になります。

というのも腐海の蟲には、例え暴走状態でなくても微かな瘴気の流れを辿って腐海からさ迷い出る癖があり、風向きによっては人界に闖入することもあります。これを如何に予測し、また蟲達を穏便に帰らせるかは、正に「人々を守る」長の仕事と言えます。

特に顕著なのが死の際の最後の一言で「折角面白くなってきたのにこれでオシマイか…」です。この時ナムリスの計画は全てご破産、土鬼諸族もクシャナ達まで離反し旗艦内まで制圧され、巨神兵もナウシカの「子」となり彼の手を離れ、何より彼自身ボロボロで首だけの苦痛塗れという状態でした。

些か牽強付会ですが、今般のシリア・アサド政権の加速度的瓦解を見ていると、漫画版 ＃ナウシカ の最終盤を思い出しますね。あの場面ではヴ王直卒のトルメキア軍が土鬼聖都シュワを急襲・電撃占領したことで、長きにわたる泥沼の戦役が殆ど一瞬で終わってしまいます。

えへへ～宇宙大将軍アンソロ、買っちった(∩´∀｀)∩ﾜｰｲ

対してナウシカは、幾多の試練と絶望・虚無を乗り越えた末、この現実を直視し、「腐海や王蟲の偉大さと、その発生原因(そして仕組まれた宿命)は別だ」とはっきり述べます。これは理屈では解ってもなかなか実践できるものではなく、そこにこそ彼女の真の「強さ」があるように思われるのです。

こうしてみると、「風使い」には平時のーというよりトルメキアへの軍役奉仕以外全部のー指導者・族長としての資質が詰まっています(その軍役にしてもガンシップ操縦士なので風使いの力は非常に有用です)。また、その能力は、「常に」谷を守るために在ることを求められてもいます。

⑥腐海の「崩壊」。上層の腐海植物が更に減退縮小し、その根が地下の層構造を支えられなくなった段階で腐海は崩壊し、元の地表が露出します。後には石化した木々の残骸と、超小型かつ無害化したムシゴヤシ等一部腐海植物だけが残ることになります。

③「墓所」の主の籠絡に抗った結果、精神攻撃で自我を破壊された：最後はヒドラのエサに…？(´；ω；｀)ﾌﾞﾜｯ