風呂に浸かると肩こり頭痛が一時的に治まるマンなので、湯船に沈んで身を解しては薬液槽のミラルパ様ごっこをしたくなる。
#ナウシカ
そうした「腐海すら届かない場所」の代表が、映画にも出てきた酸の湖周辺となります。強酸性の湖水の影響で土壌まで酸性化したせいか、腐海のただ中にあって「カビ一つ生えない」異様な場所となっております。
さて、腐海の「砂にする分解能力」についてですが、ユパによるとこの「砂」は金属類の複雑な化合物で、火でも薬品でも溶かせず、かつ完全に無毒無害な結晶となっているようです。某コスモクリーナーもびっくりな浄化能力ですね。
そうして、漫画版では常に「何故?」を問い続け、ナウシカなりの答えを積み上げて来たからこそ、最終盤の墓所との対決におけるナウシカからの「断罪」が重く響くわけです。それは、彼女が旅路の中で問いかけてきた疑問と、そこから得た答えの集大成な訳ですから、当に「世界を負う」対決なわけですね。 https://t.co/YqfFzr3VFj
この後、4巻において、降伏したマニ族を従えた僧会艦隊がペジテから巨神兵を奪取し、聖都シュワに持ち去る様子が描かれます。ペジテは腐海を挟んで土鬼の反対側に位置しており、このことからミラルパの本来目的には巨神兵奪取も含まれていた可能性があります。
(墓所と異なり)外部に依存すること無く半永久的に自立して人類の遺産「だけ」を伝えていく…その性質は人類の墓碑、真の「墓所」とすら言えます。或いは、ノア一家が乗らなかった「方舟」だけが永遠の洪水の中に浮かんでいると言えるかもしれません。世界再建を諦めた神(旧人類)が遺した世界の欠片…
さて、ナウシカ世界の「虚無」といえばもう一つ、「庭園の牧人」を忘れることはできません。以前何度か触れた通り、「庭園」には、「後世に伝えるべき人間の遺産」…汚染されていない動植物の原種、農作物、音楽と詩が保管されていましたが、そこには肝心の「人間そのもの」だけが居ませんでした。
政府の広報・御用媒体になりたくない?そりゃ結構ですが貴方たち自身の「正しさ」って何が担保してるんですか?情報の収集・分析への信頼なら、自ら叩き売ってぶち壊してますよね?
翻ってナウシカと「虚無」との対話(?)ですが、ここでも死を救済・安寧として説く虚無に対し、ナウシカは「生」を訴え反駁します。それに対し虚無は鋭く糾弾します。生きるためにおのが手を血に染め、屍の上を歩いてきたお前がそれをヌケヌケと語るのか?と。
即ちミラルパは自らの死=帝国の崩壊を恐れる余り延命を繰り返した末、帝国に圧政を敷き続ける晩年を過ごします。また墓所は「人類という種の永続(或いは浄化世界の完成)」という未来の目的だけを見続けた結果、現在を生きる生命を「浄化の途中経過」として等閑視するに至りました。