酒場で過激論ぶちあげて盛り上がっている栄一たちを見ると、るろ剣で吹き上がっていたモブ民権派の皆さんを思い出してしまう…熱をあげる前に、も少し足元見ようやと。 #青天を衝け
この場面は寧ろ、ナウシカの姿に自らの古い土着信仰(と腐海・生命への不可侵性)への確信を得た僧正が皇帝と僧会への反逆ー腐海生命の軍事利用への抵抗ーを決意したことの方が重要といえます。
否、クルバルカ王朝の始祖に限らず、初代神聖皇帝も、そしてクルバルカ王朝以前の土鬼王権の建国者も、恐らくみなナウシカと似た在り方を持ちながら、
最後は墓所にーもっといえば墓所が課した(と感じられた)人類存続の使命に屈したのではないでしょうか。
シュワの墓所は三巻冒頭、ユパから「神聖皇帝の墓所でもある大僧院」として、またその奥に旧世界の技を遺す地として初めて言及されます。また、サパタで肉体劣化が進む皇弟についても側近達が「早く墓所に戻らねば」と言及しています。
何せ世界の人間の殆どが死に絶えてなお、彼らが遺したプログラムが世界を動かし続けてきた訳ですから。恰も「海底奇岩城」のポセイドンのように。或いは、折角ならジブリ繋がりでこう言うこともできるでしょう。「国(巨大産業文明)が滅びたのに王(墓所)だけ生きてるなんて滑稽だ」と。
ティン!と来た時、それがウィークリー #ナウシカ 考察の時間です。というわけで今宵は日時もテーマも予定を変更してお送りしたいと思います。本日のお題はズバリ「最終盤におけるナウシカとオーマの齟齬について」、例により21時過ぎから投下予定です。
こうしたケチャの怒り・悲しみはアスベルにも痛い程解るものでした。彼も故国を失い部族を皆殺しにされた身であり、ナウシカとの出会いを経てもなお、機会あれば復讐の炎は燃え上がるのですから。…そんな境遇から二人は次第に親近感を覚えていったのかもしれませんね。
ナウシカ世界の非差別民たる蟲遣い達もまたナウシカとの出逢いを機に変わっていきます。ナウシカを遂に与えられた神=嘗ての日々との決別の証と崇めた蟲遣い達は、彼女から「同じ友になる」ことを求められ、そうして掛替えの無い仲間となることを誓います。
また物語中盤にナウシカの宿敵となる皇弟ミラルパは兄曰く若い頃はナウシカそっくりの、理想に燃える慈悲深い名君でした。老いて不信と憎悪に支配された暴君となったミラルパは、「曾ての自分」に対峙し、今の姿を「みじめであわれ」と断じられることで大打撃を受けます。
更に言えば、ナウシカ達の時代の人類や動物は全て、(恐らく「火の7日間」前に)汚染耐性付与等の改変を受けており、こうした一環として「超常の力」も広く付与された…と考えることができそうです。ではそれは何のためなのでしょうか?